戸田建設は茨城県つくば市に新設した環境技術実証棟で、ZEB化対応技術の実証実験を開始した。複数の外装を設置して断熱効果を比較するなど、今後のZEB化提案などに活用できるノウハウを蓄積する狙い。将来は最新の省エネ技術などを取り入れた「カーボンマイナス棟」としてリニューアルし、オフィスとして利用する計画だ。
戸田建設は「筑波技術研究所」(茨城県つくば市)に新たに建設した環境技術実証棟で、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」化対応技術の実証実験を開始したと発表した。
建築物の省エネルギー化や利用者の生産性向上、巨大地震への備えなどが求められている現在、戸田建設は顧客に新たな価値を提供することを目指して、筑波技術研究所(茨城県つくば市)の新整備計画を進めている。環境技術実証棟はその第1弾にあたるもので、2017年6月に完成した。RC造の地上2階建て、建築面積約380m2、延べ床面積約725m2の施設である。
環境技術実証棟は、ZEBに代表される環境負荷の少ない建物の実現を目指して、省エネルギー化やCO2排出量削減に関するさまざまな要素技術の効果・有効性を検証することを目的としている。例えば、南面の外装仕様は3種類とし、室内に対する熱負荷の軽減などへの効果を検証している。これらの成果は、現在同社が取り組んでいる京橋一丁目東地区における都市再生特別地区の都市計画(本社建て替え計画)に導入する予定だ。
今後、同新整備計画では、環境技術実証棟の建設の他に、大型実験棟の拡張や施工実験棟の建設、開発技術の体感紹介スペースの設置を予定している。また、環境技術実証棟は、2年間の技術検証の終了後に新たな技術を取り入れた「カーボンマイナス棟(仮)」としてリニューアルし、居住性と環境負荷の低減を追求した次世代型オフィスとして利用する計画だ。
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