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» 2019年08月31日 06時00分 公開

ITmedia Virtual EXPO 2019 秋:大和ハウス工業が売上高10兆円の“起爆剤”と位置付ける「D'sBIM」とは何か?

2055年に売上高10兆円企業を目指す大和ハウス工業は、その成長戦略の起爆剤として、独自に構築したBIMプラットフォーム「D's BIM」を据えている。D's BIMがなぜ業容拡大につながるのか、同社技術本部 BIM推進部 部長・芳中勝清氏が徹底解説する。

[石原忍,BUILT]

 ここ数年、戸建て住宅にとどまらず、商業施設や物流施設などにも領域を広げ、2020年度末までに手掛ける全物件の“BIM化”というマイルストーンに向かって、先進的な取り組みを続ける大和ハウス工業。2019年からは、第6次の中期経営計画がスタートし、前年に室から昇格した「BIM推進部」が先陣を切って、戸建てや集合住宅といった工業化住宅はもちろん、一般建築、生産・購買・施工までの一気通貫で全社のBIM普及に邁(まい)進している。

 アイティメディアが主催する「ITmedia Virtual EXPO 2019 秋」(Building × IT EXPO)※注1に、BIM推進部の責任者である部長・芳中勝清氏が登壇。D's BIMのこれまでの軌跡と将来に向けた展望を詳しく語ってもらった。

大和ハウス工業 技術本部 BIM推進部 部長 芳中勝清氏 ※画像クリックで、Building × IT EXPOへ

 詳細については、「ITmedia Virtual EXPO 2019 秋」(Building × IT EXPO)をご覧いただくとして、ここではそのイントロダクションに代えて、最近のD's BIMのトピックスを紹介する。

 大和ハウス工業は、2006年度からBIMの研究に着手し、検討・検証を重ね、2017年度に本格導入した。翌2018年度には、D's BIMのベースとなっているRevitのベンダー・オートデスクとパートナーシップを締結。これを機に、オートデスクのアジア地域での最優先カスタマーとなり、ビジネスアシストを受けつつ、アジア圏でのBIM先進企業としての地位を確立することを目指している。

オートデスクとのパートナーシップ契約

 主なBIMの実績では、2018年6月末に指定検査機関の日本ERIとコラボレーションして、非住宅で意匠・構造モデルの建築確認申請を行ったことが特筆に値する。非住宅でBIMを用いた建築確認申請の第1号となったのは、長野県松本市の9階建て、延べ床面積4879平方メートルの宿泊施設。

 続く9月に行った第2号物件では、設備も対象とした完全なBIM確認申請を実現した。今後は本受けも含め、全く紙出しをしない完全ペーパーレス化を目標に掲げる。

 D's BIMは、全物件のBIM化を目指すとともに、業界におけるBIMスタンダードとなることも視野に入れている。なかでも、2019年4月に発表された大和ハウス工業、大和リース、熊本大学の共同研究契約は、業界外からも大きな注目を集めた。研究内容は、災害時に仮設住宅を早期に提供することを目的に、住宅配置案の作成から、施工、メンテナンスまでのライフサイクルでBIMを活用するこれまでにない試みだ。

 2016年に発生した熊本地震では、16市町村で4303戸の仮設住宅が建設され、完成までに最短で1カ月半、最長で7カ月も要したという熊本大学の調査結果が報告されている。これを踏まえ、同大大学院先端科学研究部の大西康伸氏は、仮設住宅を施工した両社からヒアリングして配置計画の自動化研究に役立てた。

 配置計画案の自動化プログラムは、敷地の境界線と居室や駐車場の数を入力するだけで、仮設住宅モデルが自動で作成される。これまで、候補地の調査から計画案の作成・承認まで1週間かかっていた手法が、BIMを使うことによりわずか1時間で完了し、設計業務の効率化や3次元モデルによる関係者間の合意形成が図れるようになる。

 現在は配置計画だけではなく、ドローン測量、設計、部材調達も自動化する仕組みを構築し、20202年度内に災害が起きた場合、試験運用ができるように共同研究を進めているという。

BIMを使った仮設住宅の配置計画案の自動作成の流れ

 「ITmedia Virtual EXPO 2019 秋」の講演では、なぜ大和ハウス工業が成長を持続できているのか、そのコアとなるD's BIMの住宅系/非住宅系のそれぞれの戦略と仕組みについて、実例を交えながら詳細に解説している。ぜひ、講演を視聴して、BIMの最前線はどうなっているかを確認してもらいたい。

ITmedia Virtual EXPO 2019 秋 Building × IT EXPO

基調講演:
徹底解説!“10兆円企業”を目指す大和ハウス工業の成長基盤「D's BIM」

2055年に売上高10兆円企業を目指す大和ハウス工業は、成長戦略の重点施策として独自のBIM推進に全社を挙げて取り組んでいます。これまでに、パートナーシップを結んでいるオートデスクのRevitで作成したモデルで建築確認申請や設計と自社の住宅工場とのBIMデータ連携などに成功。2020年には“全物件のBIM移行”を目標とする大和ハウス工業の挑戦を余すことなく解説します。

ITmedia Virtual EXPO 2019 秋 Building × IT EXPOでのBIM推進部 部長 芳中勝清氏の講演 ※画像クリックで、Building × IT EXPOへ

※注1:アイティメディアが運営するバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO」とは、インターネットに接続されたPCやタブレット端末などのスマートデバイスから、24時間いつでも・どこからでも来場できる春と秋の年2回開催されている“仮想”展示会。基調講演、各EXPOで用意された特別セッション、出展社によるセミナー動画の視聴や、各種資料・カタログのダウンロードなどが行える。会期は、2019年9月30日まで

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