飛島建設がIoT開発基盤を構築、初弾で入坑管理と建機接触防止システムを実用化山岳トンネル工事(3/3 ページ)

» 2019年08月29日 10時15分 公開
[石原忍BUILT]
前のページへ 1|2|3       

入坑管理システムと同一の機器でデータ連携

 一方の建設機械接近警告システムは、トンネルの狭い空間で発生することが少なくない、建設機械と作業員の接触事故を抑止する。入坑管理システムと同じBLEビーコンとIoTゲートウェイを用い、作業員が持つビーコンが発する電波の強度から、作業員と建機の互いの距離を推定し、設定距離以下になると警告する仕組み。

建設機械接近警告システムの概要 提供:飛島建設

 システムを導入した工事では、建機が大型の場合は、電波の障害とならないようにするため、マシンの前後左右4カ所にセンサーを搭載させた。また、運転手のビーコンが誤って反応しない様に、運転席上部に専用のセンサーを設置し、自動的に警告対象から除外する工夫も凝らした。

 両システムでは、同一のビーコンを利用しているため、新たに作業員を登録する必要が無く、建機に接近する作業者の氏名は自動で表示されるという。

センサーの配置状況 提供:飛島建設
接近監視用モニター画面の一例 提供:飛島建設

 飛島建設では、入坑管理システムと警告システムを「BLEを用いた入坑者見える化システム:VisiBLE(ビジブル)」として販売する予定だ。次のステップでは、バイタルデータをベースにした体調管理をはじめ、機械稼働時間や負荷情報による設備メンテナンス管理といったシステム開発の他、その先には管理データとAIを組み合わせた安全性・生産性向上に結び付くシステムの構築を目指すとしている。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.