大林組が柱/梁/床/壁などの構造部材の全てが木材という高層純木造耐火建築物の建設に着手した。大林組グループの研修施設として新たなイノベーションや企業文化を育んでていく。
大林組は2019年7月23日、柱や梁/床/壁などの構造部材の全てが木材という高層純木造耐火建築物の建設に着手した。大林組グループの研修施設として新たなイノベーションや企業文化を育んでていく。
建設に当たり、大林組の耐火木造技術「オメガウッド(耐火)」を構造部材として適用した。燃え止まり層(耐火層)として石こうボード、燃えしろ層として表面に木材を設けることで、2時間耐火木造をローコストに実現する技術だ。特に1階柱には「日本初」(同社)だという3時間耐火仕様を採用する。これまで鉄筋コンクリート造と同様のスパンで中高層化するには、梁/柱接合部の高剛性化、高耐力化という課題があった。このため新たに柱と梁を一体化する「金物を使わない剛接合仕口ユニット」を開発した。高剛性、高耐性、高靭性を併せ持ち、さらにあらかじめ工場でユニット化することで高い施工性も実現する工法だとしている。
今回建設する研修施設の階数は地上11階、地下1階で延べ面積は3,620平方メートルに及ぶ。木質化された空間がもたらすリラクゼーション効果や調湿効果に加え、風、光、香りなど自然を取り込むデザインや技術を取り入れながら、金物を使わない剛接合仕口ユニットに免震構造を組み合わせることで高耐震も実現する。
大林組では自社開発のスマートビルマネジメントシステム「WellnessBOX」と利用者のバイタルデータとを関連付け、バイタルデータに基づく快適な研修/宿泊環境の提供も計画している。また、自然エネルギーを積極的に活用し、建物の利用計画/方法を勘案した最適な環境技術を多数導入することで、一般的な建物と比較してエネルギー消費量が50%以下となるZEB Ready(ネット ゼロ エネルギー ビル レディ)を実現し、ウェルネスに配慮した建物・室内環境評価基準であるWELL認証、およびLEED認証の取得を目指すという。研修施設は2022年3月完工予定。
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