プラントエンジニアリング業主要10社のうち、7社で従業員数が増加(図表11)。最も増加率が高いのは栗田工業で、2015年3月期の5222人から2019年3月期には6613人へと、26.6%増加した。次点でメタウォーターが14.8%増、太平電業が14.1%増、タクマが10.8%増と2桁の増加率となっている。一方、千代田化工は14.0%減、東洋エンジニアリングは10.4%減と、1割を超える減少率だった。
従業員1人当たり売上高も10社中7社で増加している(図表12)。最も増加率が高いのは新興プランテックの15.5%増。その次に太平電業の15.4%増、富士古川E&Cの15.0%増、東洋エンジニアリングの12.4%増と、2桁の増加率。業界トップの日揮は25.9%減、2位の千代田化工建設は11.9%減となっている。
住宅建設業主要10社のうち、8社で従業員数は増加(図表13)。最も増加率が高いのは飯田グループホールディングスで、2015年3月期の6129人から2019年3月期には8561人へと、39.7%増加した。他にもアールシーコアが32.3%増、フジ住宅が31.8%増と、3割を超える大幅な増加率となっている。
従業員1人当たり売上高は、10社中7社で増加している(図表14)。最も増加率が高いのはフジ住宅の25.2%増となっている。次いで、住友林業が18.9%増、細田工務店が16.7%増、大和ハウス工業が16.4%増と2桁の増加率だった。
その一方で、従業員数の増加率が最も高い飯田グループホールディングスは20.7%減だった。
ヒューマンタッチ総研所長・高本和幸氏は、「主要建設業60社における従業員数の推移をみると、直近の4年間で60社中53社が増加し、4万7750人の新たな雇用が生まれている。増加する建設投資を背景に、建設業各社が人材の量的確保を目指し、採用活動を積極的に進めた結果だ」とコメント。
また、「従業員1人当たり売上高の推移を見ると、管工事業、住宅建設業、電気設備工事業、ゼネコンの4業種では増加しており、生産性が向上していると想定される。一方、土木工事業とプラントエンジニアリング業の2業種は、1人当たり売上高が減少しており、生産性の低下が危惧される。特に、従業員数が大幅に増加した企業で、従業員の増加率ほど売上高が伸びていない例も散見され、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの特需が終わることも見据えると、今後は、採用戦略の重点を“量から質へ”転換する企業が出てくる」と予測した。
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