ヒューマンタッチ総研は国内の建設業の人材市場動向をまとめた2018年11月分のマンスリーレポートをリリースした。今回のレポートでは、建設業におけるICTの実施経験の有無と、関心度について建設技術者にアンケート調査した結果をまとめている。調査によると、ICT施工の実績はわずか8%にとどまった一方で、関心度については国土交通省が進めるi-Constructionの影響もあってか、「関心あり」の回答が半数を超えた。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、最新の人材市場に関する公的データをまとめた2018年11月分のマンスリーレポートを発表した。
今回は、ヒューマンタッチ総研が実施した、「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果から、ICTを活用した施工(BIMやCIMの導入、ドローンによる3次元測量、ICT建機の活用など)の実施経験の有無と、関心度合いについての結果をまとめている。
ICTを活用した施工を経験したことがあると回答した建設技術者は8.0%で、まだまだ浸透が少ない結果となった。これに対し、ICTを活用した施工への関心度合いについては、「非常に関心がある」(27.6%)、「関心がある」(28.7%)と、半数を超える合計56.3%の建設技術者が関心を持っているという結果になった。生産性向上へ向けてICT施工を導入することの重要性が高まる中、建設技術者においても関心は高まっていることが判明した。
調査はヒューマンタッチに登録している建設技術者を対象に、インターネット上で2018年5〜6月に実施し、275人から回答を得た。
雇用関連の月次データでは、2018年10月時点の建設業就業者数は就業者数は518万人(前年同月比103.6%)となり、9カ月連続で前年同月を上回った。ハローワークの新規求人数は7万2364人(同99.9%)と、2016年7月以来25カ月ぶりに前年同月を下回った。
「建設技術職」の建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比で0.52ポイント上昇して6.40倍。40カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率では、前年同月比で0.84ポイント上昇して9.93倍となっており、東京オリンピック関連の工事に加えて集中豪雨や台風などの災害復旧の影響もあり、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高いとしている。
「建設技能工」の建設・採掘(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.92ポイント上昇の5.30倍。41カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況は長期化している結果となった。
充足率(就職件数/新規求人数)は6.9%で、前年同月よりも1.7ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。
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