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» 2019年07月23日 07時10分 公開

制震:「読売テレビ新社屋」に竹中工務店が免制振ハイブリッド構造を適用、最上階の揺れを4割減

竹中工務店は、大地震発生時に最上階の加速度(揺れ)を従来の基礎免震構造よりも、40%抑える免制振ハイブリッド構造を2019年1月に竣工した読売テレビ新社屋に適用した。

[BUILT]

 竹中工務店は、「基礎免震+中間階集中制振」の免制振ハイブリッド構造を採用した最高水準の安全性を備えた「プレミアムセイフティビル」を「読売テレビ新社屋」に初適用した。

安全性と安心感を兼ね備えた「プレミアムセイフティビル」

 近年、国内での大規模地震発生の切迫性の高まりを受け、耐震安全性に対する関心が高まっている。同社ではこうした社会背景を考慮して、最高水準の安全性とハイグレードな安心感を兼ね備えた「プレミアムセイフティビル」を提唱し、実現のための技術開発を進めてきたという。

 大阪市中央区で2016年11月に着工した17階建て読売テレビの新社屋には、基礎免震+中間階集中制振を採用した。このハイブリッド構造によって、最上階の加速度(揺れ)が、一般的な基礎免震構造と比べ約40%低減する。大地震発生時でも、構造体や仕上げ材の損傷を最小限に抑えられ、高層部の建物の揺れを制御し、家具などの転倒被害も少なくなり、ハイグレードな“安全・安心”性能を備えるプレミアムセイフティビルが実現する。

「読売テレビ新社屋」南面外観 出典:竹中工務店
「基礎免震+中間階集中制振」架構概念図 出典:竹中工務店

 基礎免震+中間階集中制振の導入に当たっては、通常の設計に用いる地震動を大きく超えたエネルギーを持つ、「上町断層地震」や「熊本地震」などの地震データを用いた安全性の検証を行い、十分な効果が発揮されることを確認しているという。

中間階集中制振の効果の概念図 出典:竹中工務店

 一般的に、建物の低層部分の平面積が大きく広がり、中間階で建物平面形状が切り替わり、細長い高層部分が塔状に伸びている基壇形状の建物は、高層部で上階ほど加速度が大きくなる傾向「むち振り現象」がある。

 そのため、基礎免震に加え、低層部と高層部の切り替わり位置に、制振ダンパーで地震エネルギーを吸収して、揺れを抑える集中制振架構を設けた基礎免震+中間階集中制振を採用することで、むち振り現象による加速度の増加を抑制する。

従来免震との加速度(揺れ)の比較 出典:竹中工務店

 また、中間階に集中して制振ダンパーを配置することで、高層部上階にある執務スペースの動線や眺望を妨げず、建築空間を最大限に利用できるメリットもある。

 読売テレビ新社屋の概要は、RC・S・SRC・CFT造、地下1階・地上17階(塔屋2階)建て、高さ85.07メートル、約5万1000平方メートル。工期は2016年11月〜2019年1月で、設計・施工は竹中工務店が担当した。

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