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» 2019年07月01日 10時18分 公開

免震:新型の部屋免震システム、バイオ診断薬拠点のクリーンルームに初適用

[BUILT]

 竹中工務店は、床・壁・天井を部屋ごとを一体で免震化する部屋免震システムを開発し、シスメックスの神戸市西区にあるバイオ診断薬拠点「テクノパーク イーストサイト」のクリーンルームに初適用した。

ローコスト・短工期で導入が可能

 部屋免震システムは、地震時に、室内の設備機器の転倒や床・壁・天井の損傷を防ぎ、安全性の確保に加えて、室内の気密性や空気清浄度を維持し、地震時における研究開発や製造の事業継続を支援する。

部屋免震システム断面パース 出典:竹中工務店
部屋免震システム施工状況(鉄骨フレーム) 出典:竹中工務店

 これまで建物全体に免震構造を採用するには、工事期間や建物全周囲の免震クリアランス空間を確保する必要があり、特に既存建物の免震化工事には、大規模工事や施工中の安全、振動、騒音などへの配慮が必要だった。また、クリーンルームなど、清浄な空気環境が必要な施設に対する従来型の床のみの免震システムでは、地震時の壁・天井パネルの損傷による清浄度管理への影響や精密機器の転倒といった研究・製造の中断が問題点となっていた。

 新システムは、容易な工事で導入でき、地震時の室内の空気清浄度、気密性を確保できる付加価値の高い新たな耐震メニューとなっている。

 竹中工務店では、既に吊り下げ式の部屋免震システムを2018年に開発しているが、新型システムが追加されたことで、免震化する部屋に合わせた柔軟な提案が可能となった。今後は、気密性や空気清浄度の維持・管理が求められるさまざまな用途の重要諸室(再生医療、バイオ関連施設等)を中心に、システムの幅広い展開を目指すという。

 部屋免震システムは、床・壁・天井を一体としたフレーム下部に免震装置を設置するもの。地震時の揺れに対し、部屋全体が水平にゆっくり移動することで、設備機器の転倒や床・壁・天井の損傷を防ぎ、地震後の室内被害を最小限にとどめる。

 免震エリア外からの出入口や配管ダクトには、免震エキスパンションジョイント、免震継手を設置し、非免震エリアとの変位差を吸収する仕組みだ。空調制御やメンテナンス用の空間として、システム周辺の免震クリアランス部や床下スペースを有効活用する。これまでにないメンテナンスや空調制御により、さらに高度な環境制御を実現した。導入に関してもローコスト・短工期で、対象エリアの拡大や、既存建物への改修工事にも応じる。

 環境性能の実測では、高い室内環境性能を確保していることを確認するとともに、実測データを用いてさまざまな用途に応じた空調メニューを構築している。

部屋免震システムの気密性能の確認状況 出典:竹中工務店

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