MetaMoJiは、建設業界向けのデジタル野帳アプリ「eYACHO」の新バージョンを発表した。工事写真台帳や出来形管理表を自動生成する機能が追加され、定型業務としての活躍の場をさらに広げた。
建築・土木の作業現場では、測量、測定、観察情報を紙製ノート「野帳」に記録しているのが一般的となっている。しかし、野帳は、必要な時にすぐ使用できることやペンで自由に記入できることがメリットである一方、取得したデータの共有や一元管理が難しいといった問題点がある。
課題解決を目的に、野帳のデジタル化を推進を目指し機能の拡張を図っているのがMetaMoJiだ。2019年6月6日には建設業界向けの野帳アプリ「eYACHO」の新バージョンを発表した。
eYACHOは、2015年6月にMetaMoJiと大林組が共同で開発したiPad/iPhone用アプリ。2014年4月に、建設工程のICT化で業務効率の向上を目指していた大林組が、ノートソフトウェア「Note Anytime」をベースとするデジタル野帳の企画をMetaMoJiに打診したことが契機となり、開発がスタートした。
eYACHOは、Note Anytimeの画面上で手書きが行える機能を継承したことに加え、大林組の知見を集約することで、建設業に特化した仕様となっている。2016年2月には「Ver2」となる法人向け「eYACHO for Business」をリリース。2017年3月には、リアルタイム伝搬技術「Share」で、同時書き込みが可能になった「Ver3」のサービス提供を開始した。2018年4月に上市した「Ver4」は、JVや協力会社との情報共有を実現。今回の新バージョンは「Ver5」となる。
MetaMoJiの浮川和宣社長は、Ver5について「基本コンセプトは、朝から晩まで全ての業務に活用できること。メモや情報共有機能といった日常使いから官公庁に提出するデータ作成のような定形業務への使用も実現している。今後はAI技術も取り入れ、さらに進化させていく」と語った。
Ver5は、現場の画像をベースとして工事写真台帳や出来形管理表を自動生成する機能が追加されている。iPadもしくはiPhoneで建設作業エリアを撮影時に、工事黒板スキーマに定義した情報を埋め込むことで使用可能だ。
加えて、工事黒板スキーマに入力した情報や撮影データを埋め込んだ画像を出力し、メール送信やオンラインストレージへの保存もできる。現場の映像を基に、場所を選ばず工事写真台帳や出来形管理表を作成するため、すきま時間で迅速な作業計画の遂行が実現する。
さらに日本建設情報総合センター(JACIC)の工事写真の小黒板情報電子化と、小黒板情報連携機能対応ソフトウェアに認定されており、現場画像の電子納品や対応ソフトウェアで小黒板データの読み取りも行える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.