腰にプラスして“腕も補助”、ATOUNのパワードウェアに2020年の実用化を目指す新機能パワードウェア(1/2 ページ)

ATOUNが開発した腰用のパワードウェア「ATOUN MODEL Y」に、重量物の持ち上げなど腕の動きをサポートするユニットが追加された。2019年5月末から実証実験をスタートさせ、2020年度の実用化を目指す。

» 2019年05月31日 07時14分 公開
[石原忍BUILT]

 パナソニックと三井物産が出資するATOUNは2019年5月17日、建設現場などで作業動作をサポートする腰用パワードウェア「ATOUN MODEL Y」に、腕の補助機能が追加されたことを発表した。2019年5月末からは、実用化に向けた実証実験をスタートさせる。

20キロの荷物を5分の上げ下げで、非着用時と比べ37.7%の作業効率が向上

現行のMODEL Yにアタッチして利用する腕用補助ユニット
ATOUN代表取締役社長の藤本弘道氏(左)と、技術開発部次長の中野基輝氏(右)

 腕補助用の新ユニットは、腰用のMODEL Yに取り付け、腕と腰を一体的にサポート。重量物の上げ下げ動作では、非着用時に比べ、約4割の作業効率がアップするという。

 発表日当日は、都内のパナソニック東京汐留ビルで技術セミナーが開催された。セミナーでは冒頭、ATOUN代表取締役社長の藤本弘道氏が腕の補助機能の開発理由と効果を解説した。

 藤本氏によれば、ATOUNの社会的意義は、「年齢や性別に左右されずに生活できるパワーバリアレス社会の実現」を標ぼうする。2018年4月に発売した腰用のATOUN MODEL Yは、「反復・繰り返し作業」「長時間の姿勢維持が必要な作業」「一時的にでも負荷が高い作業」を伴う、建設現場をはじめ、除雪、倉庫内作業、工場、農業などで幅広く採用されている。ATOUNでは、2012〜2017年を研究段階とし、2018〜2021年を市場形成の実証段階、2022年からを普及ステージと、パワードウェアのロードマップを描く。今後、導入対象として想定されている市場は、「反復・繰り返し作業」「長時間の姿勢維持が必要な作業」「一時的にでも負荷が高い作業」を伴う現場で、特に介護を有力なターゲットと見込んでいる。

ロードマップ。2019年からは先導ユーザーを中心に普及ステージへ
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