三菱地所グループは、オンライン内覧予約やスマートロック、Web会議などのITツールを組み合わせて、賃貸物件の内見から契約締結、入居までを非対面で完結させるシステムを構築した。グループ内の三菱地所ハウスネットがこのサービスを提供して、東京・新宿区のマンションで初めて人を仲介せず、借り主が契約締結を実現させたという。
三菱地所グループは2019年5月16日、三菱地所の出資先や保有オフィスのテナントである不動産テック企業各社とのオープンイノベーションで、賃貸住宅の内見予約から賃貸借契約、入居開始に至るまでのプロセスで、完全非対面で行える仕組みを構築したことを発表した。
三菱地所レジデンスが開発・保有し、三菱地所ハウスネットがマスターリースして賃貸管理を行う賃貸マンション「ザ・パークハビオ新宿」で、完全非対面の賃貸借契約を初めて締結した。
非対面契約のシステムでは、賃貸借契約に関する手続きを全て機械化/自動化。サービスを展開する三菱地所ハウスネットは、ライナフのオンライン内覧予約/セルフ内覧システム「スマート内覧」と住宅向けスマートロック「Ninja Lock M」、グッドルームのオンライン入居申込サービス「Conomy」、Holmesの契約マネジメントシステム「Holmes」、いい生活のWeb会議システム「ES×MeetingPlaza」を組み合わせて提供する。
スマート内覧は、Webカレンダーでいつでも物件の内覧予約が可能で、スマートロックNinja Lockと連動し、スマートフォンで対象物件のドアを解錠できる鍵を自動発行する。
Conomyは、スマホやタブレット上だけで賃貸の申し込み手続きが完了し、未入力項目や未提出書類も可視化される。Holmesは、契約オペレーションをクラウドでマネジメントするシステムで、締結だけでなく、契約書の作成から、承認、締結、管理までの一連のプロセスを提供。専用クラウドと併用することにより、さまざまな入居者との契約もプロジェクト単位で管理できる。
ES×MeetingPlazaでは、Web会議上で資料を共有し、画面上にマーカーを付けられる機能がある。不動産契約に活用することで、宅地建物取引業法で定められている物件の状態や契約内容などの重要事項説明をWebで行える。
非対面のシステムでは、これまでのように契約者が定休日や営業時間に縛られることなく、都合の良い時間に内覧予約をして現地へ向かい、スマートフォンのアプリからドアを解錠。不動産会社の社員の立ち会い無く、一人で内覧が行える。入居申し込みは、オンライン上だけで完結し、重要事項説明を聞くためや契約書類の提出のために、店舗に出向く必要がなくなる。
また、不動産仲介会社の担当者などが、建物賃貸管理会社の実店舗などに出向いて鍵を借りる手間も無くなるという貸主側のメリットももたらされる。
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