デザイン監修を担う隈研吾氏は、施設概要を解説した。パビリオン棟ではCLT板をアミダ状に互い違いに5枚重ね、真庭市産の木材の美しさを外装にそのまま表現。上部は透過性のあるガラス屋根とし、敷地の中央に位置するパビリオン内部には展示空間を備え、音楽・展示・スポーツなどのさまざまなイベントの利用を見込む。
晴海では「選手村や黎明橋公園に囲まれ、1年間の運用中に、にぎわいを創出し、(CLTの認知が広がる)コミュニティーに貢献する。真庭市での再築後は、蒜山の山を背景に自然の中でも調和し、都市のイベント建築が、地方活性化のレガシーになることを想定している。このプロジェクトに刺激され、他の地域でもCLTを通じた都市と地方間の交流がより進むのではないか」と期待を寄せた。
パビリオン棟は、建物全体の鉛直荷重は鉄骨の通し柱で負担させ、それを補強する強度の高いヒノキのCLTが構造梁(はり)として機能する。「構造的に合理的な解決を図り、木の現しとするため、鉄とCLTのジョイントをどう魅せるか模索した。ぜひ、木目の美しさを間近で確認してもらいたい。日本はもともと木との関わりが深い国。CLTは木材の制約を超えることができ、木と建築の関係性を再構築させる」と語った。
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