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» 2019年01月31日 06時00分 公開

AI:橋梁の“AI点検”を開発・検証する拠点を富士フイルムが2019年3月長崎に開設、県や長崎大と協力

富士フイルムホールディングスは2019年3月1日、橋梁(きょうりょう)やトンネルなどのインフラ構造物の点検・診断業務を効率化する“次世代AI技術”の研究・開発拠点「Brain(s)九州」を長崎県長崎市に開設する。富士フイルムでは、AIを搭載した橋梁コンクリートのひび割れ診断サービス「ひびみっけ」を展開しており、新拠点では長崎県と長崎大学の協力の下、より高度なAIを共同で開発し、実証実験で検証しながら、社会実装を目指す。

[石原忍,BUILT]

 富士フイルムホールディングスは2019年3月1日、長崎県長崎市にインフラ構造物の点検を効率化する“次世代AI技術”の開発拠点「Brain(s)九州」を開設する。

橋の多い長崎で、AIによるインフラ構造物の点検を検証

 Brain(s)九州は、富士フイルムホールディングスが、2018年10月に東京・丸の内に開設した最先端AIアルゴリズムの開発に取り組む「FUJIFILM Creative AI Center Brain(s)(ブレインズ)」に続き、九州圏の拠点と位置付けるAI研究所。名称のBrain(s)には、“脳”に象徴される人々の叡智(brains)を人工知能(ai)を軸として融合する場との意味が込められている。

 東京のBrain(s)は、最新の世界最速ディープラーニング用スーパーコンピュータを導入。研究・開発テーマは最先端AIアルゴリズムで、ITソリューションは企画・POCを担当する。人材強化では、先端AIの研究者を育成していく。

 一方のBrain(s)九州は、長崎県・長崎大学との協業で、富士フイルムのAI技術のなかでもとくに、インフラ構造物のひび割れ診断サービス「ひびみっけ」に注力。県の社会インフラ維持データと、長崎大が有する土木工学の豊富な知見を組み合わせ、AI技術の検証を進め、最終的には社会実装を目指す。

富士フイルムホールディングス執行役員CDO・依田章氏(左)、長崎県知事・中村法道氏(右) 提供:富士フイルム
東京拠点と長崎拠点の各役割 提供:富士フイルム

 長崎県は、国内でも島が多く、それを結ぶ橋が多数存在する。長崎大学は、2007年に「インフラ長寿命化センター」を設立し、橋梁の維持・管理の研究を進めている。それ以外にも、医学部・工学部が連携して、医療モノづくり人材の育成など、実用と研究の橋渡しとなる特色ある取り組みを行っている。

社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」でのひびの検出結果 提供:富士フイルム

 また、Brain(s)九州の敷地内には、グループ内でX線画像診断装置や内視鏡システム、デジタルカメラ「X シリーズ」、写真サービス(Year Album、Wonder Print Station)などの製品・サービスに搭載するソフトウェア開発を手掛ける富士フイルムソフトウエアが、2020年4月に「長崎事業所」を併設する。

 長崎事業所では、AI・ICTソリューションの設計から、製品化までをスピーディに行う体制を整え、社会インフラ向けソリューションや医療機器、写真サービスなど、最先端のAI・ICTソリューションを活用した製品・サービスの研究やITインフラ運用を行っていく。

 長崎事業所での今後のスケジュールは、2019年3月に仮事務所を設置し、2020年4月入社の新卒と社会人採用をスタート。社員規模は、開設後5年で社員20人程度とし、将来的には協力会社含めて50人規模へと拡充。九州地域で、高度AI人材の活躍の場となることを目標としている。事業面では、2019年中には、地元企業と連携したソフトウェア設計・開発業務を始動させる。

Brain(s)九州の今後の展開 提供:富士フイルム

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