日本進出50周年を迎えたヒルティが、「工具はどこに行った?」を解決するIoT資産管理“ON!Track”IoTで建設現場の課題を解決(2/2 ページ)

» 2018年12月31日 09時00分 公開
[石原忍BUILT]
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シンプルなインターフェスで作業効率を上げる使いやすさ

6つのボタンが配置されたスマホTOP画面

大久保 海外ではローンチ後の3年間で既に6000社以上で導入されており、モノがどこにあるかだけに限らず、汎用性が高いため他の使われ方も多い。例えば、現状では事務所のボード上でマグネットによって管理している人工は、個別のヘルメットにバーコードを貼れば、この現場に誰が行ったか、何人を投入したかが一目で分かり、工事費の可視化にもつながる。

――スマホアプリの操作性

大久保 ON!Trackは、建設向けを考慮して、意図的にシンプルな製品設計を採用している。機能が増えれば操作に戸惑うが、アプリのUI(ユーザーインターフェス)も、「追加」「移動」「納品の確認」「在庫の確認」「探す」「情報を見る」の厳選した6つのボタンしかなく、常時使うのはこのうち2つだけ。

 全体の管理はセキュリティの高いWebベースで、資産の移動履歴の閲覧、従業員や現場の登録、資産・認証・サービス・従業員に関するレポート出力などが行える。従業員データには、建設業で必要な多数の資格証明なども登録でき、更新時期に近づくと、従業員のスマホや管理者のPCに自動通知が配信される機能も備わっている。

管理者向けWebソフトウェア画面
レポート出力画面

大久保 ON!Trackの利用料金は月額制で、導入にあたっては、ヒルティのコンサルタントが既存の工具や備品の内容を確認。管理プロセスをヒアリングして現状を分析し、ニーズに応じて、資産を補完する倉庫や現場名の登録、アクセス権限などの各種設定をして利用環境を整える。実際にバーコードを貼り付ける際には、工具や備品の汚れ落としまでを行い、システムに情報を登録する。さらに、従業員が確実に使いこなせるように、ソフトウェアやスマホアプリの使い方などのトレーニングもフォローアップしている。

――次の展開は?

大久保 バーコードは、耐久性の高い専用のフィルム以外にも、頑丈なキーホルダータイプもある。また、ON!Track第3世代として、“Bluetooth”搭載タイプも2019年春ごろのリリースを予定している。これまでのバーコードでは、職人がスキャンしない、管理工数が増える、リアルタイムでの位置情報が分からないといったハードルがあったが、これが解消される。

 Bluetoothであれば、スキャンの読み取りが不要になり、スマホの通信を介して常に情報がアップデートされる。Google マップ上にもピンを落とせ、GPSよりも大幅にモジュールの通信量を抑えた形でより正確な管理が実現する。アナログのバーコードと、第3世代を組み合わせて、ユーザーの要望に応じた最適なIoTソリューションの提案をして、建設業の生産性向上に資産管理というアプローチで寄与していきたい。

ヒルティの工具がディスプレイされたショーケース前の大久保氏
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