凸版印刷が「IoT建材事業」をスタート、初弾に単身高齢者の孤独死を防ぐ“センサー床材”を発売IoT建材(2/4 ページ)

» 2018年11月21日 05時00分 公開
[石原忍BUILT]

東京理科大ベンチャーと共同開発したSmart NANOを活用

 もう一つの新製品「101 REPREA Smart NANO AREZA」は、化粧シートの表面を傷から守るなど高性能化する技術「Smart NANO(スマートナノ)」と、高い材料設計技術で、土足でも使えるオレフィン素材の床用化粧シートとして実用化された。Smart NANOは、東京理科大・阿部正彦教授を中心とするベンチャー企業アクテイブと共同で開発した新技術。

ホテル用途を想定した「101 REPREA Smart NANO AREZA」の導入事例

 住宅向けの「101 REPREA(レプリア)」と比較して2倍以上の耐摩耗性と、優れた耐光性・耐汚染を併せ持つ。突板や無垢材のような色あせが起きにくく、意匠を長く保つことができる。

従来品(無垢材フローリング)との性能比較。右がアレーザで、傷や褪色が少ない

 AREZAはこれまで「101 REPREA」シリーズでターゲットとなっていた住宅向け以外に、インバウンド需要の増加で高まりを受ける宿泊施設、首都圏を中心とした再開発プロジェクトなど、ホテル・オフィス・商業施設など非住宅施設のシートフローリング向け床用シートとして販売展開していく。

建装材で60年の歴史を誇る「環境デザイン事業部」

凸版印刷 取締役常務執行役員・山中紀夫氏

 発表会では、取締役常務執行役員の山中紀夫氏が、同社の主力製品である化粧シートを企画・開発している「環境デザイン事業部」を紹介した。

 凸版印刷では、今から60年以上前の1956年に、メラミン化粧板を出発点として建装材事業を開始。1950年代の戦後復興期には住宅の大量供給に併せ、天然素材では賄えない安定した品質をグラビア印刷によって補い、市場に提供した。その後、1960年代の高度成長期突入とともに、生活空間で基本的性能の追求が求められるようになり、70年代の化粧紙輸出や木工製品の販売などに続き、1979年に初めて“塩ビ化粧シート”が登場した。

 時代を下ってバブル期には、ハウスメーカー(プレハブ/工業化住宅)の台頭を受け、加工製品や木工と塩ビを融合させたネオ天然木化粧板などの取り扱いを始めた。さらに、デザイン力向上のため、インテリアコーディネーター制度も設けた。

 ターニングポイントとなる1990年代は、ダイオキシンやシックハウスの影響で“脱塩ビ化”の流れが加速。1993年に非塩ビ壁紙の「トッパンエコウォール」、1995年に非塩ビ化粧シート「トッパンエコシート」を順次した。2000年代に入ってからは、非住宅市場にも建装材を供給し、不燃認定などの法規制にも対応した。

建装材事業の領域拡大

 現在では、「住宅内装で培ってきたノウハウと印刷テクノロジーを生かし、重歩行床シート“AREZA(アレーザ)”やオレフィン系複層不燃シート“101エコシートLOVAL(ローバル)”、アルミラッピング部材“FORTINA(フォルティナ)”などで、非住宅や外装向け商品群の拡充を進め、新たな市場へ拡大を図っている。また、化粧シートの販売だけではなく、加工販売や施工といった領域も強化していく。さらにこれまでに無い次の需要を見込んで、建装材とIoTを融合させたIoT建材事業に注力していく」(山中氏)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.