建設技術者が転職先企業を決める時に重視する条件、独自アンケートから探る(2)建設業の人材動向レポート(2)(1/3 ページ)

本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。まず「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果について3回にわたり詳しく紹介する。建設技術者にフォーカスした調査は非常に少なく、本調査の結果が、建設技術者の転職に関する実態を的確に把握して、その採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。

» 2018年10月23日 00時00分 公開

 本稿では、ヒューマンタッチ総研が独自に実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果について詳しく紹介していく。第2回は、「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果から、建設技術者が転職先企業を決める際に重視する条件について紹介する。

■転職先企業を決める際、最重視される条件は「勤務地が希望に合っている」

 転職先企業を決める際に「非常に重視している」と答えた人の比率が最も高いのは「勤務地が希望に合っている」(50.9%)となった(図表1)。

 転職先を決めるに際しては、まずは自宅から通いやすいこと、地元へのUターンなど、勤務場所が大きなポイントになっているようである。

■働きやすい環境や仕事内容を重視する人が多い

 「勤務地が希望に合っている」に次いで「非常に重視している」と答えた人の比率が高いのは、「会社の雰囲気・人間関係が良い」(46.9%)、「やりがいのある仕事ができる」(42.9%)、「今までの経験、スキル、保有している資格などを生かせる」(41.1%)となっており、働きやすい環境や自分に合った仕事内容が転職先企業を決める際の大きなポイントになっていると考えられる。

 「給与が高い」については、「非常に重視している」と回答した人の比率は34.9%とそれほど高くなかったが、「やや重視する」も合わせると91.3%の人が重視しているという結果になっており、重要な条件の一つではあると思われる。

■「残業が少ない」を重視する人は意外と少ない

 一方、「非常に重視する」と回答した人の比率が最も低いのは「研修・教育体制が充実している」(15.3%)、次いで、「残業が少ない」(22.5%)、「福利厚生が充実している」(23.3%)となった。

 長時間労働が問題視されている建設業界ではあるが、建設技術者が転職先を選ぶ際には残業時間はそれほど重視されていないようである。

【図表1 転職先企業を決める際に重視する条件】

■20歳代は「給与が高い」「休日が多い」を重視する傾向が高い

 「給与が高い」についての年齢層別の回答結果を見ると、「非常に重視している」と回答した人の比率が最も高いのは20歳代(47.1%)であった(図表2)。

 次に、「休日が多い」についての年齢層別の回答結果を見ると、「非常に重視している」と回答した人の比率が最も高いのは、同じく20歳代(41.2%)であり(図表3)、20歳代では給与の高さと休日の多さを重視する傾向が他の年齢層よりも高いといえる。

【図表2 「給与が高い」についての年齢層別の回答結果】
【図表3 「休日が多い」についての年齢層別の回答結果】
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