BIM/CIM推進委員会が初会合、2018年度は大規模構造物の詳細設計などで200件の導入を目指すBIM/CIM(2/3 ページ)

» 2018年09月06日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]

2018年に国際標準化される英国をモデルケースに対応

 国内のデータ交換標準化は、国際団体bSI(building SMART International)で進められている3次元データモデルの国際標準化では既に建築分野は策定済み。土木分野(道路、橋梁、トンネル、港湾、鉄道など)は2020年度をめどに標準化に向けた検討を進めている。先行している英国は、情報交換、設計・施工フェーズまでを規定した「BS1192」および「PAS1192」が、2018年中にも国際標準化(ISO)されるため、日本でもこれをモデルケースに対応していく方針が示された。

 BIM/CIMの課題克服に向けては、BIM/CIM事業(業務・工事)の成果品を収集し、3次元モデルの実施目的、使用ソフトウェア、詳細度(LOD)などを分析して、基準類や要求事項(リクワイヤメント)をとりまとめる。その上で、i-Construction推進における生産性向上の効果把握に必要となる定量的な評価指標を策定する。

 3次元データの流通・利活用に向けた環境整備では、クラウドを活用した電子成果品のオンライン化に向けてやオンライン電子納品の運用に必要な機能要件の整理、さらに3次元データなどを管理するシステムの機能についても検討する。

後段階における生産性向上に向けたフロントローディングの検証 出典:国土交通省

 BIM/CIMに関するさまざまな検証方法は、行政側のデータ共有では専任の担当者を置き、“セキュリティ要件”や“3Dビュワー”の機能を満たすクラウド環境下で実施。収集したデータを国土交通省および国土技術政策総合研究所を含めた活用促進WGで議論して、フィードバックする。

 BIM/CIM促進のフォローアップでは、「BIM/CIM活用モデル事務所」を地方整備局に設置し、成果品を確実に蓄積して、施策の全体的な分析のとりまとめを行い、そのノウハウを次のプロジェクトに生かす。

活用促進WGとBIM/CIM担当者クラウド 出典:国土交通省

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