NEDO、KDDI、セコム、テラドローンは、世界で初めて4G(第4世代移動通信)を活用した自律飛行ドローンによる警備実証実験を実施し、広域施設の遠隔巡回警備に成功した。広域や夜間など警備員の人的資源が不足しやすい現場にも、警備ドローンが警備行動を人に代わって行うことで効率的な警備が可能になる。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、KDDI、セコム、テラドローンは2018年3月15日、世界で初めて4G(第4世代移動通信)を活用した自律飛行を行う複数のドローンによる警備実証実験を実施し、広域施設の遠隔巡回警備に成功したと発表した。広域や夜間など警備員の人的資源が不足しやすい現場にも、不審者の発見や注意喚起などを警備ドローンが行うことで効率的な警備が可能になる。
実験では、高高度を飛行し警備現場を俯瞰することで不審者などの早期発見することが主任務の「俯瞰ドローン」、俯瞰ドローンから得た情報を基に低高度で不審者などに急行し対処を行う役目の「巡回ドローン」を各2機ずつ計4機を利用。約45万坪と広大な敷地を持つ「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」(神奈川県相模原市)で、不審者が現れたことを模擬し遠隔巡回警備を実施した。
俯瞰ドローンと巡回ドローンはそれぞれ装備が異なっており、俯瞰ドローンでは遠方や夜間においても対象物を確認できるよう高倍率・高感度撮影が可能なカメラを搭載する。一方、巡回ドローンにおいてはカメラの他、不審者に警告を行うためのスピーカーや、夜間に不審者を撮影するための高輝度LEDライトなどを備えている。
これら警備ドローンはあらかじめ決められたルートを自律飛行しており、警備担当者は運行管理システムによってドローンから送信される映像の監視を行う。映像に不審者などが確認された場合は、警備担当者は手持ちのタブレット端末によって巡回ドローンを当該場所へ飛行させ録画や音声警告を行うことが可能となる。
現在開発段階のため、どちらのドローンも質量が20kgを超えており飛行時間は10分程度が限度とするが、機体の軽量化などにより飛行可能時間を30分程度に延長することや非接触充電への対応を目指す。また、2020年の商用化が期待され高速・多接続が特長である5G(第5世代移動通信)の利用も想定しており、5Gによってより高画質な映像の伝送や、必要な場合には同じ警備区域内に多数のドローンを飛行させることでより密度の高い警備が可能になるという。
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