ガラス壁面に最適なダブルスキン、トヨタと旭硝子が共同開発省エネビル

旭硝子とトヨタ自動車は、省エネ性能が高い二重ガラス「上吊型ダブルスキンシステム」の共同開発を開始。自動車販売会社のショールームやオフィスビル向けの製品として、2018年春の販売を目指す。

» 2017年10月05日 06時00分 公開
[スマートジャパン]

 旭硝子とトヨタ自動車は、気象条件に合わせて柔軟に開閉でき、省エネ効果を高める二重ガラス「上吊型ダブルスキンシステム」の共同開発を開始した。今後、製品仕様の決定、性能および安全性の確認を行い、自動車販売会社のショールームやオフィスビル向けの製品として、2018年春の販売を目指す方針だ。

 自動車販売会社のショールームや一部のオフィスビルでは、大型のガラスを採用する場合がある。それに伴い、日光が室内に入射する影響による夏季の冷房コストの上昇が課題となっている。こうした夏季の暑さ対策として、ロールスクリーンや遮熱フィルムを導入する場合があるが、ロールスクリーンは、日射しの遮蔽が十分ではなく、閉めた時の視認性が低下するといった課題があった。

 両社が開発した上吊型ダブルスキンシステムは、上部により遮光・遮熱用のシートを、下部には視認性・遮熱性を考慮して透明かつ薄型のガラスを配置。遮熱性と見通しの良さを両立させるのが特徴だ。冷房時は外壁のガラスと、上吊型ダブルスキンシステムの間に溜まる熱気をファンで排気し、冷房効率を向上させる。一方、暖房時は、ダブルスキンの効果で流出する熱が減少するという。必要のない場合には、カーテンのように収納できる。

「上吊型ダブルスキンシステム」のイメージ 出典:旭硝子

 下部のガラスには、旭硝子が自動車用ガラスとして開発した遮熱性能の高い「クールベールR」を採用した。これは自動車のフロントガラスに利用される合わせガラスで、中間膜に波長1500〜2200mmの赤外線をカットする素材を練り込んでいるのが特徴だ。赤外線を90%以上カットし、紫外線を約99%カットできるという。

 下部に利用しているクールベールRは、薄型で割れにくい化学強化ガラスとなっており、軽量で設置工事を行いやすいのも特徴だという。最終的に、重量を従来のダブルスキンシステムの5分の1まで軽量化する方針だ。

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