日本設計が構築するBIMの“実践的”なFM活用の姿とはBIM/CAD(2/2 ページ)

» 2017年04月13日 06時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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具体的にどんなことができる?

 こうしてBIMデータとFMシステムが連携できるようになるメリットは何か。日本設計はまず第一に設計や施工時のBIMデータが活用できるようになることで、FMデータベースの構築にかかる時間や手間を短縮できるという点を挙げる。完成したFMデータベース上にはさまざまな情報がインプットされているため、任意の条件で検索を行い、該当した部屋やスペースについて、3Dモデルを閲覧しながらそこにある設備の一覧を確認するといったことも可能になる。

Forgeを利用したFMシステムの利用イメージ。デモで利用してFMシステムは「ARCHIBUS」である(クリックで拡大) 出典:日本設計

 また、日本設計はオートデスクの「Dynamo」というRevit用のアルゴリズムソフトウェアを活用し、設備設計において機器選定のルーティン作業の自動化を実践している。これは「対象機器記号」と呼ぶ機器ファミリをBIMモデル上にプロットしておき、Dynamoを使って機器の⾃動選定や計算書・機器表の作成などを行うというものだ。

 この対象機器記号は、FMにおいても活用できる。今回のForgeを活用して構築したシステムを使ったデモでは、FMシステム上から対象機器記号を選択すると、その機器の故障による影響範囲を確認できるといった様子を披露した。

設計時に入力した対象機器記号をFMにも活用する(クリックで拡大)

 BIMデータをインデックスとして活用していることで、長期修繕計画などの見直しにも活用できる。FMデータベースにアクセスし、耐用年数を超えた機器を検索すると、3Dモデル上に該当する機器が表示される。そこで設計時に入力した設備の選定条件を確認したり、現在のテナントの入居状況を考慮しながら設備更新の計画を立てるといった使い方もできるという。

 こうした設備更新などに伴うBIMデータのメンテナンスや修正については「実際の維持管理で利用されるのは、全ての設備に関するデータだけでなく、一部の大きな設備機器などに絞られると考えている。それを考慮し機器の更新やリノベーションなど、工事を伴うタイミングで行うことを考えている」(吉原氏)という。

 日本設計では現在、Forgeを活用したBIMデータと連携するFMシステムの検証を進めている段階。検証を重ねて実案件への適用を目指す。また、こうしたBIMデータを活用したFMシステムの検証や展開について、プロパティデータバンクとの協業も進めていることを明らかにした。

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