コンクリ表面の品質、タブレットでピタリと分かる情報化施工(4/5 ページ)

» 2017年03月07日 06時00分 公開
[畑陽一郎BUILT]

画像解析ではうまくいかない

 今回の成果は、2年前に技術開発を始めた際とはかなり違う内容に仕上がったのだという。

 開発当初から用いていた手法は、複数の画像解析技術を組み合わせるというもの。撮影した画像を白黒の2色で表した画像に変換する二値化処理をまず用いる。次に輪郭検出を施して気泡の位置や寸法を検出。フィルター処理で極端に小さな気泡を除去後、輪郭面積順に並べ替えた。その後、面積に基づいて点数を付けた。

 「二値化の際にどの程度までを白(気泡)と判定するかなど、しきい値を変えて色々試してみた。しかし、気泡を正確に検出することができなかった。写真撮影時の光の具合や色むらにも影響されてしまい、スコアが安定しなかった(図7)」(佐野氏)。

図7 二値化のしきい値を変えた場合の判定の変化 出典:日本国土開発

 気泡が大きく、3次元的な形状を採る場合にも目視と比較して気泡のサイズを正確に把握することができなかった(図8)。

図8 気泡の底が複雑な形状をとっている場合などに判定が不正確になる (クリックで拡大) 出典:日本国土開発

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