3社は開発した計測技術を国土交通省東北地方整備局発注の「国道115号月舘高架橋上部工工事」(福島県伊達市、工期14年9月5日〜16年10月31日)に適用した。P1橋脚の内ケーブル(延長約13m)およびP1-P2間の中央連結下床版ケーブル(延長約36m)に裸線型、P2-P4間の外ケーブル(延長約183m)にECF型のケーブルを適用し、緊張作業時の張力、定着後の導入張力の分布を計測した。
実証の結果、2つのタイプともにPCケーブルの全長にわたって張力の分布が精度よく計測できることを確認できたという。また、P1橋脚の内ケーブルでは、光ファイバーを定着部から箱桁内部まで延長し、供用中でも計測できる位置にて再計測を行ったところ、PCケーブル全長にわたって導入張力の分布を計測でき、維持管理にも適用できることを確認した(図3)。
この技術を利用することで、従来困難であった定着後のPCケーブル全長にわたる導入張力の分布計測が可能になった。また、PC構造物の健全度を効果的に把握できるため、維持管理、さらに大地震発生後の二次被害の防止や、応急復旧対策にも活用できるとしている。3社では今後、同技術を斜面や法面の崩壊防止に用いるグラウンドアンカーへの応用も視野に入れ、さらなる開発を進める計画だ。
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