電力と水を自立供給、都心の防災拠点を担う新型ビルスマートシティ(1/2 ページ)

東京都千代田区大手町に完成した地上31階建ビル「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」。災害時には電力と水を自立供給できるシステムを導入し、1000人の帰宅困難者を収容できるなど、都心の防災拠点としての機能も備えている。

» 2016年05月11日 15時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 三菱地所が東京都千代田区大手町エリアの再開発プロジェクトの一環として建設を進めていた「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」がこのほど完成した。オフィスや商業店舗からなるグランキューブ(オフィス棟)に加え、星野リゾートが運営する高級日本旅館(宿泊施設棟)も併設する。大手町エリアの国際ビジネス拠点としての機能強化・拡充を目指した施設だ。

図1 「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」の外観出典:三菱地所

 この2棟は電力と水の自立供給システムや、災害時の空調利用を可能にする設備を導入するなど、防災拠点ビルとして大手町地区全体のBCP(事業継続計画)に貢献する役割も担っているのが特徴となっている。

 電力については、耐震性に優れるとされる中圧ガス(都市ガス)によるコージェネレーションシステムに加え、中圧ガスとA重油の両方に対応するビル用非常用発電機(デュアルフューエル型発電機)を備える。これを活用することで、電力会社からの供給が途絶えた場合でも、中圧ガスがあればビル共用部へ最低でも10日間の電力供給が行える。さらに中圧ガスが途絶えても、敷地内に備蓄したA重油を利用し、72時間の電力供給が可能だ。

 水害対策としては特高電気室およびビル用非常用発電機室を地上に設置している。コージェネレーションシステムは通常時も常用運転し、ビル全体の約25%の電力を供給する。

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