トリドールHDが店舗開発/維持管理にBIM活用、トランスコスモスと連携:BIM

トリドールホールディングスは、店舗開発と建設業務の高度化に向けてBIMの導入を開始した。BIMデータ化などのモデリング分野、BIMルール作成などの運用支援、BIM人材育成や教育プログラムの運営、定着推進でトランスコスモスと連携する。

» 2026年11月06日 20時00分 公開
[BUILT]

 トリドールホールディングス(トリドールHD)は2026年10月23日、店舗開発と建設業務の高度化に向けてBIMの導入を開始したと発表した。BIM活用を推進するパートナー企業の拡大に向けて、設計会社向けの「BIM習得プログラム」の受け付けを開始した。

 また、BIMデータ化などのモデリング分野、BIMルール作成などの運用支援、BIM人材育成や教育プログラムの運営、定着推進でトランスコスモスと連携する。また、BIMにAIを組み合わせた運用方法の開発を進め、店舗のライフサイクル管理の高度化も目指す。

 トリドールHDが導入するBIMは、3D建物モデルに属性情報を付加し、土地探索から設計・施工、運営、修繕、改装、閉店までのライフサイクル全体で情報を共有する。独自のBIMデータ基盤「TORIDOLL BIM Ecosystem」を構築し、トランスコスモスが持つBIMの知見を活用しながら、グループ各社の店舗開発と建設プロセスの標準化、再現性向上を図る。

TORIDOLL BIM Ecosystemの概要と導入によるメリット 出典:トリドールホールディングスプレスリリース

 設計段階では店舗を3Dモデルで可視化することで、設計者、施工会社、発注者間で完成イメージを共有する。設計図面や設備情報をクラウド上で一元管理し、関係者が最新情報を参照できる環境を整え、情報伝達や確認作業の負担を軽減する。

 BIMデータを活用した部材数量の算出や図面作成の効率化に加え、工事の進捗状況を視覚的かつリアルタイムで把握し、建設プロセスの最適化につなげる。施工後は設計情報や設備情報を継続して利用し、修繕や改装、設備更新の精度向上を図る。従業員のメンテナンス業務の負担軽減や、予期しない故障や修繕に伴う臨時休業リスクの低減も期待する。

丸亀製麺のBIM標準モデルと設備保全、維持管理への活用イメージ 出典:トリドールホールディングス プレスリリース

 さらに、将来はBIMで蓄積した店舗データとAIを組み合わせることで、設計の最適化や積算支援、出店計画の高度化につなげる。経験や勘に依存していた判断にデータを取り入れ、再現性の高い店舗開発を目指す。

設計会社向けBIM習得プログラムを開始、標準モデルや実案件を活用

 BIM導入に伴い、トリドールHDは設計会社や建設会社を対象とした「BIM習得プログラム」の参加受け付けを開始した。大型建築案件に比べてBIMの普及が進んでいない飲食店舗の建設分野で、教育機会や実践機会の不足に対応する。

 プログラムでは、BIMの基礎知識やトリドールHDでのBIM活用方針、実際の店舗設計フローに沿った運用方法に加え、BIMソフトの操作方法、標準モデルやファミリデータの活用、実案件を用いたフォローアップも予定している。参加企業が実務を通じてBIMの活用スキルを習得できる体制を整える。

 BIM習得プログラムの取り組みでは、トリドールHDは教育機会と実案件の提供、BIM活用事例の共有、パートナーネットワークの形成を担う。一方、トランスコスモスは教育カリキュラムの設計やBIM研修運営、教育コンテンツの開発、BIM標準化支援、AI活用教育、設計業務改革支援、運用定着を担当する。

 トランスコスモスの支援内容は、設計ルールやテンプレートを定める標準化に加え、各ブランドの什器や厨房機器、設備などのBIMパーツ制作と提供、設計事務所や関連協力会社への実務運用支援から定着支援まで多岐にわたる。

2030年に不動産から店舗運営までつなぐエコシステムを構築

 トリドールHDは2030年を目標に、不動産会社、設計会社、施工会社、設備メーカー、SCM、店舗運営をデータで接続するエコシステムの構築を目指す。幅広いパートナー企業と連携し、店舗網の拡大と再現性の高さを両立する店舗開発モデルの確立を図る。自社の業務効率化にとどまらず、飲食店舗の建設分野全体のデジタル化を推進する方針だ。

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