SWCCは、東京電力パワーグリッドの既設変電所を3Dベースモデル化し、新設ケーブルルートの設計に活用した。
SWCCは2026年10月29日、東京電力パワーグリッドの既設変電所を3Dベースモデル化し、新設ケーブルルートの設計に活用したと発表した。独自に提唱する「PIM(Picture Information Modeling)」の概念を実際の工事計画に初めて適用し、図面に頼らない工事計画の有効性を確認した。
SWCCは、Regana事業で展開する3Dモデル生成ソリューション「ADitor(Advanced Digital Image Generator)」を使用し、東京電力パワーグリッドの既設変電所を再現した。
従来の既設設備でのケーブル工事では、現地での計測やスケッチ、写真を基に図面を作成し、工事計画を立案していた。しかし、既設ケーブルや機器、配管が複雑に入り組む変電所では、図面作成に多くの工数を要する。図面だけでは設備の現況を十分に把握できず、現場確認を繰り返す場合もあった。
今回の取り組みにより、従来は現地で図面と照合しながら行っていた既設物との干渉確認が、デジタル空間上で可能になった。図面作成や現地確認に要する工数の削減に加え、関係者間の円滑な情報共有や迅速な合意形成につながる。
建築/建設分野では、建物や設備の3Dモデルに仕様などの属性情報を関連付け、設計から施工、維持管理までの情報を一元管理するBIMが注目されている。一方、既設インフラ設備は2D図面で管理されている場合が多く、古い設備では紙媒体で保管されている場合もある。既設設備の現況を3Dモデル化するには専用機材による計測や専用ソフトウェアが必要となり、費用や作業負担が課題となっている。
SWCCが提唱するPIMは、カメラ映像からベースとなる3Dモデルを作成し、そのベースモデル上で設計や工事計画、情報の関連付けを行う概念だ。PIMを実現するソリューションとして位置付けるADitorは、市販のカメラで撮影した映像を画像処理技術によって3Dベースモデルとして再現する。
生成したモデルでは、設備の状態や位置関係を把握できる他、寸法計測や3DCADモデルとの重ね合わせが可能だ。
SWCCは、中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」の下、Regana事業を2030年度までにグループの新たな成長ドライバーとして確立する方針を掲げている。
電力インフラ業界では、高度経済成長期に導入された設備の更新に加え、AIの普及や再生可能エネルギーの推進に伴う設備導入の増加が見込まれる。今後、ADitorの適用領域をさまざまな設備の更新工事や改修工事へと拡大し、PIMの普及を進める。
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