資産ライフサイクル・インテリジェンスの実現に向けては、以下の3ステップで進めることが早期の成果につながる。
(1)情報の流れとリスクを可視化する
情報のフローとプロジェクト遂行上のリスクをマッピングで可視化し、断片化されたデータによってプロジェクトの手戻りや遅延、コンプライアンス違反のリスクが高まる箇所を特定する。
(2)情報管理システムを整理/統合する
重要な文書や資産データを管理する「記録システム(System of Record)」の数を削減する。デロイトの調査によると、記録システムの数が一桁増えると複雑性が急速に高まると指摘している。
(3)改善効果を継続的に測定する
削減できた時間と変動性の低減を測定する。労働市場が逼迫している状況では、確保できる時間は遂行能力そのものといえる。この“能力”は人事上の問題ではなく、戦略的な制約となっている。
こうした取り組みを実現するためには、改善効果を継続的に測定することが欠かせない。測定のためには、まずは設計、建設、運転/保全、保護の各フェーズで、重要な運用上の指標を絞り込んで定義する。次にデータを一貫して収集し、適切な役割の人が適切なタイミングでアクセスできるようにする必要がある。効果的なプログラムは通常、週ごとに追跡できる以下のような指標を重視する。
こうした指標を用いる目的は、情報を信頼可能な形で構造化し、再利用しやすくすることで、情報提供時のデータ品質のバラつきを減らすことにある。
資産ライフサイクル・インテリジェンスを実現する上で、エンジニアリング情報と運用情報を統合するプラットフォームの活用も広がりつつある。製造プラントやインフラ設備の設計、建設、運転・保全、保護のライフサイクル全般にわたる情報をプラットフォーム上で連携することで、膨大なデータを意思決定に活用できる洞察へと転換できる。こうしたプラットフォームは、情報フローの品質が、安全性やスケジュール、コスト、長期的なパフォーマンスに影響を及ぼす、複雑で資産集約型の環境向けに設計されている。
建設、エンジニアリング、インフラ、エネルギー業界では、複雑さを減らすだけでは、直面する納期に関する課題を解決することはできない。しかし情報を生産性向上のため資産として捉え、ライフサイクル全体にわたって管理することで、測定可能な時間短縮やリスク管理の改善、そして納期の確実性向上につなげることができる。
そして、資産ライフサイクル・インテリジェンスを実現するために、重要なのはチームがデータを信頼し、状況を理解した上で、意思決定がライフサイクル全体にどのように波及するかを把握できるようにすることだ。それによって、エンジニアリングの判断を迅速かつ容易に実行へ移せるようになる。
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