西松建設は、山岳トンネル工事で爆薬の装填作業を遠隔化する装置を開発した。実証試験では、約80メートル離れた場所から仮想切羽への装薬作業を行い、遠隔環境下での作業が可能であることを確認した。
西松建設は2026年9月8日、山岳トンネル工事で爆薬の装填作業を遠隔化する「遠隔装薬装置」を開発したと発表した。作業員が切羽天端から45度の範囲内に立ち入ることなく爆薬を装填でき、肌落ち災害のリスク低減と装薬作業の省人化/無人化につなげる。
山岳トンネル工事の装薬作業では、装薬と結線のため、複数の作業員が切羽近傍に長時間立ち入る必要がある。トンネルの掘削面から岩石などが落下する肌落ち災害リスクがあることから、切羽近傍作業を削減し、省人化/無人化することが課題となっている。
西松建設が開発した遠隔装薬装置は、ドリルジャンボのドリフタに接続して使用する。装填パイプの先端には、親ダイ(電気雷管または非電気式雷管)、増しダイ(含水爆薬または粒状爆薬)、込め物を取り付ける。作業員がドリフタを操作して装填パイプを装薬孔へ挿入し、エアで圧送することで、爆薬を遠隔で装填する。
西松建設は、平塚製作所で実証試験を実施した。試験では、ドリルジャンボの1ブームを使用し、操作者がリモコンでドリフタを操作。事前に準備した花崗岩試験体の仮想切羽に設けた装薬孔へ装填パイプの先端を挿入し、エア圧送によって装薬作業を完了した。これにより、ドリフタとガイドセルを活用した遠隔装薬作業の実証に成功した。
さらに、実際のトンネル現場での遠隔装薬作業を想定し、仮想切羽から約80メートル離れた場所に高精細映像伝送装置を設置。切羽周辺映像を確認しながらドリルジャンボをリモコン操作し、一連の装薬作業を行った。これらの試験により、遠隔環境下での装薬作業が可能だと実証した。
西松建設は、山岳トンネル施工に使用する各重機の遠隔無人化/自動化技術を組み合わせた「山岳トンネル無人化施工システム(Tunnel RemOS)」の開発を進めている。今回開発した遠隔装薬装置も、その構成技術の一つに位置付ける。Tunnel RemOSを構成する各技術の実証試験は、2027年度までに完了する計画だ。
今後は、自社で施工中のトンネル建設現場で、ドリルジャンボに遠隔装薬装置を取り付けて実証実験を行うとともに、装薬作業の遠隔化/自動化技術の開発をさらに進める。
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