物流の「2024年問題」を解決すべく、清水建設とスタートアップのecoroが、国交省の推進する「自動物流道路(オートフローロード)」の社会実装に向けた実証実験を実施した。実験は清水建設の「温故創新の森 NOVARE」をテストフィールドとして、屋外自動走行EVの通信安定性と走行精度を確かめた。
清水建設と、屋外無人搬送システムを手掛けるスタートアップのecoroは2026年6月15日、国土交通省が推進する「自動物流道路(Autoflow Road)」の社会実装に向けた共同実証実験を実施したと発表した。
自動物流道路とは、既存の道路ネットワーク内に物流専用のスペースを設け、無人化/自動化された搬送機を24時間稼働させる次世代インフラで、両社は構想のコンソーシアムに参画している。
自動物流道路の構築には、単なる車両開発だけでなく、道路や分岐点、物流ターミナル拠点の建設設計ノウハウが不可欠となるため、清水建設の知見が欠かせない。
実証実験は2026年4月、東京都江東区にある清水建設の研究開発拠点「温故創新の森 NOVARE」の屋外環境で実施した。自動物流道路のユースケース4(通信安定性)を中心に、屋外環境での自動走行EVの走行精度と通信安定性の検証、取得データの事業シミュレーション(輸送量推計)への活用を目的とした。
システム構成は、最小限のセンサー構成で屋外での自己位置推定や走行制御する自動搬送車両(シャトル)、1パレットあたり5秒で連続搬送する積み降ろし機構(ターミナル積、機器制御や処理判断、計画実行、運行監視を途切れなく一元管理する管制ソフト(ecoro Control Center)を導入した。
ecoroの車両やターミナル、管制ソフトを統合設計し、積み込みから積み下ろしまでを途切れなく同期する一元管理型の自動搬送プラットフォーム「ecoro Control Center」 出典:清水建設、ecoroプレスリリース実験では、屋外の通信断絶リスク(ハートビート送受信状況のログ取得)、速度を変化させた際の停止位置/自己位置推定の誤差測定など、実運用を見据えてシビアに検証。さらに、清水建設の建物設備やサービスロボット、自動運転車を統合制御するシステムと、ecoroの屋外走行制御システムを連携(協調制御)させる可能性も検討した。
一般公開見学日には、実験概要や両社の連携枠組み、技術についてのプレゼンテーションとデモ走行の実演を行った。参加者から資本や業務連携に関する関心も寄せられたという 出典:清水建設、ecoroプレスリリース両社は今後、清水建設のインフラ計画や設計ノウハウとecoroの屋外自動搬送システムのそれぞれの強みを生かし、事業シミュレーションの精緻化や複数ユースケースへの展開を視野に入れながら、自動物流道路構想の実現に向けた技術や事業の連携を継続的に模索していく。
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