清水建設と自動車部品メーカーのボッシュエンジニアリング、山崎建設は共同で、盛土工事に使用するブルドーザーの自動運転システムを構築し、実機を使用して運転制御や物体検知、緊急停止などの要素機能の実効性を確認した。今後、ブルドーザーの環境認識機能を高度化し、自律施工型ブルドーザーの開発を進める。
清水建設は2024年3月29日、自動車部品メーカーのボッシュエンジニアリング、山崎建設(崎はたつさき)と共同で、盛土工事に使用するブルドーザーの自動運転システムを構築し、運転制御や物体検知、緊急停止などの要素機能の実効性を確認したと発表した。
土木工事の無人化施工を目指す技術開発の一環として、今回、実機を使用して実証試験を行った。今後、ブルドーザーの環境認識機能を高度化し、自律施工型ブルドーザーの開発を進める。
自動運転システムでは、操作者が盛土工事の具体的な作業内容を設定すると、ブルドーザーに搭載した3D LiDAR、GNSSなどのセンサーやカメラからの情報をもとに、AIが状況を分析して運転を自動制御する。物体や人を検知した場合には緊急停止する。
自律施工は、自動運転システムの動作機能に加え、地形や天候、陽光の照射加減などで対象物が盛土かどうかを判断するという高度な環境認識機能が要求される。清水建設は現在、年間を通してさまざまな条件下で検証を行い、データを収集、分析しながらシステムの構築を進めている。環境認識機能が確立できれば、AIが施工範囲の状況を把握して各種要素機能や関連システムと相互連携が可能になる。それぞれの動作が自律化することで、ブルドーザーが最適な走行経路を自ら判断し、適時適切に盛土工事を行う自律施工が実現する。
将来は自律施工をブルドーザー以外の建設機械にも適用を拡大し、建設現場の無人化施工を目指す。
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