清水建設は、新大阪で建設を進めている高層ホテルの現場に、次世代建築生産システム「Shimz Smart Site(シミズ・スマート・サイト)」を初適用し、作業員と一緒になって自律的に稼働するロボットを導入した。2019年から首都圏でも水平展開するとともに、ロボット開発を推進して適用工種の拡大を図っていくという。
清水建設が設計・施工を担当している「からくさホテルグランデ新大阪タワー」の工事現場に、資材搬送、鉄骨柱溶接、天井ボード貼りなど、複数の建設ロボットを導入した。
清水建設では、次世代の建築生産システム「Shimz Smart Site(シミズ・スマート・サイト)」として、ロボットと人が協働して工事を進める建設現場の未来像を掲げている。シミズ・スマート・サイトの中核に位置するのが、資材の水平搬送ロボット「Robo-Carrier(ロボ・キャリア)」、天井などの内装施工を担う多能工ロボット「Robo-Buddy(ロボ・バディ)」、鉄骨柱の溶接ロボット「Robo-Welder」の3機種。
搬送用Robo-Carrierは、現場に搬入された資材を作業場所まで自動搬送する。レーザーセンサーとBIMモデルを照合して、自分の所在位置を認識し、障害物があると搬送ルートを自動的に再検索・修正して、指示された場所まで資材を運ぶ。
内装多能工Robo-Buddyは、レーザーセンサーとBIMに基づき、自分の所在位置を認識(SLAM機能)して、指定の作業場所まで自動で移動する。2本のロボットアームは6軸で自由に動き30kg(キロ)までつかみ、自動走行台車の昇降式台座上で稼働。画像センサーとレーザーセンサーで施工部位を把握した上で、ロボットアームを駆使して天井吊(つ)りボルトのインサートへの挿入、天井ボードの取り付け、ビス留めの他、OAフロアの台座・パネルの設置なども行う。
鉄骨溶接ロボットRobo-Welderは、ピボット式とリング式のうち、2台が対になって溶接作業を行う“ピボット式”を採用し、作業員のサポートなく、完全自動の溶接を実現。レーザー形状計測で、溶接部位の溝の形状(開先形状)を認識する。6軸で自由自在に動くロボットアーム先のトーチで、その溝を溶接材料で的確に埋めていく条件をリアルタイムに決定する。
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