古河産業は、独自に開発した吊り下げ式大型ドローンを用いた最大85キロの資材運搬サービスを提供している。独自の揺れ制御技術や操縦引き継ぎのオペレーションを確立し、トラックが入れない山間部などの物流課題を解決する。
古河産業は、ドローン専門展示会「Japan Drone 2026」(会期:2026年6月3〜5日、幕張メッセ)で、重量物を空輸できる吊り下げ式大型ドローン「EAGLE(イーグル)」シリーズを出展した。山間部など車両が進入できない場所へ、一度に75キロの建設資材を運べる。
古河産業は、物流のラストワンマイル(目的地までの最後の区間)に着目し、険しい山間部などで電力や建設の工事を行う企業から、ドローンを用いた運搬業務を受託している。その運搬の要(かなめ)となるのが、車両用電子機器開発で培った技術とノウハウを応用して機体開発やパイロット育成スクールの運営を手掛けている「ドローンWORKシステム」と共同開発したEAGLEシリーズだ。
両社は2023年2月、ドローンによる運搬や機体開発、運用を対象とした任意団体「日本ドローン搬送協会(Japan Drone Transport Association、略称:JDTA)」を発足。その活動の中で誕生したのが、EAGLEシリーズだ。
2023年にはJDTAとして、福島県にあるドローンWORKシステムのいわき内郷工場で、機能評価と実用を想定したテスト飛行を実施した。実証段階ではプロトタイプの機体を用い、山間部の建造物補修資材(75キロ模擬資材、長物、コンパネ、塗料など)と、災害時救援物資(水、物資など)を吊り下げ、片道130メートルを約1分で運んだ。
今展で出品したのは、機体の重さを含めたペイロード(積載能力)が85キロまでのモデル「EAGLE75」だ。EAGLEシリーズは共通して独自のフライトコントローラーを搭載。懸架している荷物の横揺れに対して、自動で揺れを迎えに行くように機体が動き、1.5回転以内に抑制する。縦揺れには、機体下部のショックアブソーバーが共振を効果的に軽減する。
運搬のオペレーションは、目視内での安全な飛行と荷下ろしの安定のために、荷上地点と荷下地点に古河産業の操縦士をそれぞれ2人配置する。荷物を吊り下げて離陸したことを確認した後は、両地点から目視できる中間地点でホバリングし、無線で交信しながら荷下地点のパイロットへと操縦を引き継ぐ。目的地まで飛行して地面に荷物が完全に着地したら、操縦者以外の作業員がロープから切り離す。帰還の際も、互いが機体を視認できる中間地点で操縦を交代する確実な手順を採用している。
機体の操縦は、プロポによる手動以外にも、事前に設定した地点への自動航行にも対応する。災害時など着陸場所が確保できない場合には、人が地上にいなくてもユニットごと降ろせる機構も備える。1日の運搬可能量は環境にもよるが、バッテリーを入れ替えて複数回飛行すれば、最大2500キロの運搬が実現する。
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