清水建設は、山岳部の陸上風力発電施設を結ぶアクセス道路を自動で最適化する新システムを開発した。地形や風車配置を入力するだけで、切盛土を最小化した経済的なルートを導き出す。実証では、30基の風車を約12キロのアクセス道路で結ぶ計画が従来比10分の1となる4時間で完了したという。
清水建設は2026年4月22日、山岳部の陸上風力発電施設の開発に向け、「陸上風力アクセス道路設計システム」を開発したと発表した。陸上風車を結ぶアクセス道路のルート設定を自動化し、設計期間の大幅な短縮と事業採算の向上が実現する。
陸上風力発電施設、特に山岳部の開発では、発電量を最大化する「風車の配置」と、開発コストを最小化する「アクセス道路のルート設定」の2つを繰り返し検討し、最適化を図る必要がある。
中でもアクセス道路のルートや線形は、事業全体の採算を大きく左右する重要な要素だ。しかし、幹線道路からの距離や複雑な等高線などを考慮しながら、数多くの想定ルートを比較検討するには多大な時間と手間がかかっている。
清水建設が開発したシステムは、計画地の地形データを入力し、風車の配置情報や造成禁止エリアなどをプロットすると、アルゴリズムが最短距離となる概略ルートを瞬時に抽出。ルート結果は、さまざまなCADソフトウェアに使えるDXF形式で出力が可能だ。
単に最短距離を結ぶだけでなく、高低差を勘案して切土や盛土の量が最少となるようにルートを自動補正する。山の起伏に沿った無駄のない道路設計が、スピーディーに導き出される。
また、単なる一筆書きのルート検索にとどまらず、人間的な思考を働かせた柔軟なルート設定も可能だ。同じ山の上に複数の風車がある場合は、ひとまとめにして結び、グループ化した風車網をベースに、山と山をつなぐアクセス道路を無駄なく設定する。
効果検証では、清水建設が設計・施工した陸上風力発電所のアクセス道路のルートを検討したところ、設計者が立案したルート設定に近似した結果が得られた。30基の風車を延長約12キロのアクセス道路で結ぶ計画立案に要した時間は、約4時間となり、実際に要した時間の10分の1程度で済んだ。
清水建設では、開発計画の初期段階では、さまざまなケースを想定した数多くのルート検討を繰り返し実施するため、検討ケースの大幅な増加につながり、一層の経済設計が可能になると期待を寄せる。
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