工務部門支援では、本部が現場監督の事務負担を軽減し、着工までのリードタイムを短縮する「着工促進パック」を加盟店向けに提供する。
また、着工後の現場向けサポートでは標準図などを刷新。住宅のBIMモデルに「標準図」と「標準施工手引書」を格納し、必要な情報を視覚的に探しやすくした。3Dモデル上で基礎や制震ダンパーといった調べたい箇所を拡大すると、関連する図面や施工手引書、メーカー資料が表示される。
鈴木氏によれば「設計BIMではなく、納まり図を探すためのBIMモデルを目指した。標準図と施工手引書だけで500ページ以上あるが、経験が浅い担当者でも時間をかけずに探している資料にアクセスできる。また、紙資料では更新に時間がかかっていたが、データ化によりタイムリーに更新が可能になる」。第1弾を2026年6月リリース予定で、公開後も継続的に改善を加えていく。
現場監理支援としては、2026年11月から遠隔からのリモート現場立ち合いをスタートする。現場監督支援サービス「リモートダイコウ」を活用し、現場監督が直接赴かずに全棟の施工状況をリアルタイムに把握できる体制を整える。
鈴木氏は導入の背景について「現場監督の移動時間は、都心では片道30分程度の現場も多いが、郊外では1時間が当たり前で、2時間以上を要するケースも珍しくない。長時間事務所を離れることで、社内の人間とコミュニケーションが取りにくく、部下が困っていても相談を受けられないといった状況が生まれている」と説明。物理的な制約を解消するため、本部が介在し、遠隔から一元的に監理する仕組みを考案した。
リモートダイコウでは、専属リモートアシスタントが監理業務をバックアップする。ビデオ通話でオフィスと現場を接続し、現場の職人の作業はカメラで施工箇所を映すだけで、リモートアシスタントがチェックリストとマニュアルに沿ってPC画面上で検査や写真撮影を代行する。検査の結果はアプリ介して現場監督にチェックシートで報告。現場監督が内容を確認し、施工現場へ適切な是正指示を出す。
現場監理支援のメリットは、業務効率化や移動時間の削減だけにとどまらない。現場監督の経験やスキルに依存しがちな判断のばらつきを低減し、ブランド全体の品質管理の標準化につなげる。
鈴木氏は「まず本部として20項目を設定し、リモートでの現場立ち合いを推進していく」と述べ、リモート監理によって本部が施工品質を一元管理をすることで、品質や安全性の高度化を図るとした。
また、これまで特定技能生を中心に「タイル施工チーム」として活動してきた組織を、「タイル施工課」に昇格させ、1チームから2チーム体制へと拡大した。単なる人手不足を補うための増員ではなく、標準化された施工技術を習得した特定技能生たちが2チーム体制で全国をカバーすることで、施工品質の安定化とブランド力の強化につなげていく。
AI:音声AIエージェント「TakumiX」が現場対話業務を自動化 SORABITO
BIM:建設DXを加速させる「新型タフブック」登場 BIM用の外付けGPUモデルも
BIM:BIM活用のバルコニーPCaシステムを実工事に適用、製品図作図工数を4割削減 東急建設
建設DX研究所と探る「建設DX最前線」(10):「図面を“読む”から、完成形を“見る”へ」BIM×ARが埋める、ベテランと若手の認知格差
“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(39):土木×AIの「勝ち筋」とは? インフラや災害対応で進む“フィジカルAI”
BIMだけではない、AI基盤にもなるCDE:清水建設、大和ハウス工業、大林組が“BIMの先に”を議論 共通データ環境はAI基盤になるか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10