首都高速道路など5社は、電波不感地帯の狭小空間でドローン点検の適用性を検証する実証実験を実施した。
首都高速道路、首都高技術、JDRONE、KDDIスマートドローン、NTTドコモビジネスの5社は2026年3月12日、ドローンを活用した狭小空間での構造物点検と災害時の被害状況把握を目的に、首都高速八重洲線のトンネル換気ダクト内で実証実験を行ったと発表した。GPSが届かない電波不感地帯の暗所で、各社の通信技術と機体に応じた飛行運用技術を組み合わせ、ドローンの適用可能性を検証した。
実証では、複数のドローンを用いて、機体特性の把握と構造物の健全性確認や遠隔地から状況把握が可能か確認した。
JDRONEはマンホール上からの遠隔点検、KDDIスマートドローンは小型機体による点検性能比較を実施。NTTドコモビジネスは、換気ダクト内にネットワーク環境を構築し、自律飛行ドローンを用いた遠隔地からの点検操作に加え、ドローン映像とガスセンサーのセンシングデータを同一プラットフォームで一元管理する手法を検討した。
JDRONEは対象箇所への進入ができない場合を想定し、マンホール上から延長アンテナを用いて通信環境を構築。360度カメラや4Kカメラを搭載した小型ドローンにより、長距離点検への実用性を確認するとともに、ボルトや接合部などの詳細確認が可能であることを確認した。
KDDIスマートドローンは小型ドローン「IBIS2」と「DJI AVATA2」を用い、点検比較検証を実施。いずれも暗所や粉じん環境下でも安定した飛行と映像取得が可能で、ひび割れは50センチの距離から0.25ミリまで検出できることを確認した。
NTTドコモビジネスは、ダクト内に遠隔地からのドローン操縦のためのネットワーク環境を構築。併せて、構造物点検の経過観察や発災後のドローン撮影画像との差分確認を目的としたデジタルツイン構築による検証を実施した。自律飛行型ドローン「Skydio X10」を遠隔操作して映像を取得。さらにガスセンサーや四足歩行ロボットなど複数デバイスのデータをIoTプラットフォーム「intdash」で一元管理し、総合的な点検モデルの有効性を確認した。
検証の結果、狭小空間のドローン点検が安全性の向上や点検時間の短縮に寄与することや、遠隔地からでも操作や点検が可能だと示された。
一方で、粉じんによる機体への影響や通信環境の構築、機体特性に応じた操縦技術の習熟など、実運用に向けた課題も明らかとなった。今後は、多様な点検手法の確立と運用体制の整備を進め、迅速かつ確実なインフラ点検の実現を目指すとしている。
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