急激な人口減少を背景に、建設業界は深刻な人手不足に陥っている。課題解決のために、国土交通省が2016年から進めている「i-Construction」をはじめ、国全体で建設業界の省人化を後押ししている。そうした中、建設施工や建設マネジメントの専門家として知られる立命館大学 教授の建山和由氏は、デジタル技術の活用で業務効率化を実現したゼネコンや自治体のユースケースを示し、人材難の今だからこそ求められる建設ICTの重要性を説いた。
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立命館大学 総合科学技術研究機構 教授 建山和由氏は、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)で「人口減少社会を迎えて〜建設業の課題と挑戦〜」をテーマに講演し、建設業界で省人化を実現したゼネコンや地方自治体などの多彩な事例を紹介した。
深刻化の一途をたどる建設業界の人手不足。一方で、老朽化の進むインフラ整備も急務となり、これまでよりも少ない人手で今まで以上の仕事ができる仕組みを構築するICTは、年々重要性が高まっている。建山氏は「ICTは、現場の省人化だけでなく、建設業への入職者を増やす可能性も秘めている」と力説した。
その上で建山氏は、デジタル技術の活用を推進する国土交通省の施策「i-Construction」について、図や実例を交えてICTの基本的な考え方も解説した。
まず取り上げたのは、土木工事の「3Dデータ共有による建設のシステム化」だ。現場でドローンを用いた3次元測量を行ったり、そのデータとCIMを連携させて設計・施工データを蓄積させたり、ボタン1つで稼働する自動制御マシンを活用したりといったあらゆる方法で、人力で行っていた作業を自動化/半自動化する。仮にドローン測量であれば、従来は1〜3日ほどかかっていたがわずか1時間で完了できるようになるなど、人的コストを大幅に削減する。
「i-Constructionの目指す形には、省人化はもとより、工法の標準化や施工/発注時期の平準化もある」と建山氏。ICTの導入は現場ごとでバラバラだった施工の進め方を統一したり、最適な発注計画書を作成して繁忙期と閑散期の差を少なくしたりと、建設業界に常態化していた旧態依然とした業界習慣を改善できる可能性を大いに秘めている。
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