鴻池組は、本州四国連絡高速道路の耐震補強工事で、イクシスと共同開発したバキュームブラスト自動化ロボットの現場実証を行い、現場作業の省人化と安全性向上に効果があることを確認した。
鴻池組は2025年10月27日、本州四国連絡高速道路の耐震補強工事で、イクシスと共同開発したバキュームブラスト自動化ロボットの現場実証を行ったと発表した。
このロボットは、橋脚のRC巻立てによる耐震工法に伴う表面処理(バキュームブラスト)を自動化できる。内蔵エアシリンダーで本体フレームを伸縮させ、4か所に配置した車輪を構造物に押し付けて橋脚を把持しながら、秒速50〜100ミリで自律走行する。また、バキュームブラストでは、大型のブラストガンがユニット上の走行レールに沿って秒速10〜100ミリで水平移動し、橋脚面に密着して施工する。
実証は、本州四国連絡高速道路 坂出管理センターの協力を得て、既設橋脚を使用して実施。ロボットを組み立てて自律走行させ、橋脚を安定して昇降できることを確認した。さらにバキュームブラストではコンクリート表面の二面同時施工を実施。作業員数の削減や品質の安定化、粉じん飛散防止、高所作業削減など複数の効果が認められた。
実証の結果、ロボットによる表面処理作業の自動化が省人化や安全性向上に有効と確認できたとして、今後は現場適用を拡大するとともに、新たな用途への展開も図る。
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