自動充電ポート付きドローンを建設現場に1年間常設、レベル3飛行で遠隔自動測量継続ドローン

Liberaware、KDDIスマートドローン、大林組の3社は、建設現場に自動充電ドローンを常設し、レベル3の目視外飛行による遠隔自動測量を1年間継続運用した。

» 2025年09月01日 17時00分 公開
[BUILT]

 大林組は2025年8月29日、Liberaware、KDDIスマートドローンと、建設現場に自動充電ポート付きドローンを常設し、現場補助者なしの目視外飛行(レベル3)による遠隔自動測量を1年間にわたり継続運用したと発表した。

ドローンの運用と可視化イメージ 出典:大林組プレスリリース

 大林組が施工する上信越自動車道(落石対策)北野牧工事で、2024年7月27日から、自動充電ポートを備えたドローンで週次の遠隔自動測量を実施。掘削量(体積)や現場の地形など進捗状況を高精度な可視化を実現した。

進捗報告の一例。掘削量の算出 出典:大林組プレスリリース

 今回の運用では、KDDIスマートドローンの遠隔運航サービスを活用。東京都内のオフィスから週1のドローン遠隔操作で2フライト(測量、パノラマ写真撮影)実施。ドローンポートからの自動離着陸、現場全体の撮影、撮影データのクラウド転送まで継続運用した。撮影データはリベラウェアが3D点群化して解析し、掘削量を算出して工事進捗を可視化した。のり面状況の詳細な撮影も実現した。従来は2人で2日間かかっていた作業を、約20分の遠隔運航により、現場では無人で実現可能だと確認した。

 今後、大林組は運用の知見を、出来形管理や品質管理に応用する。また、ダム建設工事など他の土木分野への展開、夜間や悪天候下での安定運用、さらなる自動化技術の実装も推進する。

 今回の取り組みは、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」で採択された「建設現場における施工管理の省力化/高度化技術の開発」の一環として実施している。

進捗報告の一例。時系列ごとの断面図 出典:大林組プレスリリース

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