訪日観光客の増加やSNSの発信などを背景に、日本各地の観光資源に新たなスポットライトが当たる機会が増えている。パナソニック エレクトリックワークス社は急増するツーリズム市場向けに、リアルタイム音声配信サービス「MORPHONE」の提供を開始した。手持ちスマホで手軽に利用でき、観光産業にとっては、観光地の魅力をシームレスに伝えられるツールとして注目が集まっている。
訪日観光客によるインバウンド需要の高まりを受け、日本各地の観光資源が改めて注目を集めている。こうした中、パナソニック エレクトリックワークス社は新たな観光の在り方を示すツーリズム市場向けのリアルタイム音声配信サービス「MORPHONE(モアホン)」を2025年8月1日からスタートさせた。スポーツ観戦向けの音声配信サービス「CHEERPHONE(チアホン)」で培った技術を観光向けに特化させ、新たな需要の獲得を目指す。
サービス開始に先立ち、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の会場で報道陣向け見学会を開催し、記者らを相手にスムーズな誘導や情報提供を行い、その機能の真価を示した。
これまでの観光客向けのツアーガイドは、周囲の騒音で聞こえにくかったり、参加者との双方向コミュニケーションが取りづらかったりした。また、音声ガイドサービスは美術館や観光、通訳など多種多様なサービスが展開されて普及しているものの、アプリのインストールが必要、録音を決まった場所で再生するのみなど、リアルタイム性に欠け用途が限定されていた。
そうした中でパナソニック エレクトリックワークス社の音声ガイドツールは、スマートフォンを活用して使いやすいサービスとして開発した。
MORPHONEは、これまでの音声ガイドサービスの課題を解消するツール。最大の特徴は、観光客のスマホで音声配信ができ、ツアールートに沿って観光地の見どころや歴史、主催者の思いなどをリアルタイムに発信できる点にある。クラウドを経由して配信するため、参加者はQRコードを読み取って専用Webサイトにアクセスするだけですぐに聴取できる。音声の遅延時間も0.3秒と短く、現場状況に合った解説を楽しめる。データ通信量も1時間あたり0.03GBと低く抑えられ、通信料金を気にせず解説を楽しめる。
配信者側ではテキストやURL、画像も一斉送信できる他、ツアー参加者はコメントで質問や感想などを投げかけたり、「いいね」機能で同意を伝えたりと相互のコミュニケーションが可能だ。
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