都内の中規模オフィスビルに環境配慮型コンクリ「CELBIC」適用 日鉄興和不動産と鴻池組カーボンニュートラル

日鉄興和不動産と鴻池組は、東京都千代田区で建設中のオフィスビル工事に環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」を適用し、コンクリート材料に由来するCO2排出量を約28%削減した。

» 2025年03月31日 06時00分 公開
[BUILT]

 日鉄興和不動産と鴻池組は2025年3月25日、東京都千代田区で建設中の中規模オフィスビル「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」の地上躯体のスラブコンクリート工事に、環境配慮型BF(高炉スラグ微粉末)コンクリート「CELBIC(セルビック)」を適用したと発表した。コンクリート材料に由来するCO2排出量を約28%削減した。

「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」外観予想パース 「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」外観予想パース 出典:日鉄興和不動産プレスリリース

セメントの一部を高炉スラグ微粉末に代替

 CELBICは、鴻池組を含むゼネコン13社が参画するCELBIC研究会が開発した低炭素型コンクリート。セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置き換えることで、コンクリート材料由来のCO2排出量を削減する。建物の部位によって高炉スラグ微粉末の使用率は10〜70%の範囲で調整する。

 今回の工事では、普通ポルトランドセメントの30%を高炉スラグ微粉末に置き換えたA種クラスのCELBICを2階から屋上階のスラブに用い、CO2排出量を約28%削減した。

 さらに、杭に関しても、セメントの40〜45%を高炉スラグ微粉末に置き換えた高炉セメントB種を適用し、CO2排出量を約43%削減した。

 なお、工事に使用した高炉スラグ微粉末には、日鉄スラグ製品が製造販売するエスメントが採用された。銑鉄を生産する際に生成される副産物である高炉水砕スラグを原料とし、セメント同様に硬化する性質があるが、焼成工程が不要で製造時のCO2排出量や使用エネルギーが抑えられる。

 「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」は、地上9階建て、延床面積は5245.23平方メートル。設計/監理は鴻池組東京本店一級建築士事務所、施工は鴻池組東京本店が担当する。工期は2023年9月5日から2025年7月31日までの予定。

コンクリート打設状況 コンクリート打設状況 出典:日鉄興和不動産プレスリリース

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.