2025年度のICT施工原則化で、コマツが3D施工の標準モデルと位置付ける次世代ICT建機ICT建機(2/3 ページ)

» 2025年03月18日 17時33分 公開
[石原忍BUILT]

スマートコンストラクションとの連携でICT施工の「StageII」が実現

 PC200i-12は3Dマシンガイダンスで、IoTセンサーやGNSSアンテナで把握したバケットの刃先情報を3D設計データと合わせ、運転席のモニターに表示する。

 また、3Dマシンガイダンスとコマツのスマートコンストラクションとの連携で、現場作業員や車両、アタッチメントなどのデジタル上での一元管理、土砂の積み込み情報の見える化、3次元設計データ上での作図が可能になり、配車業務や資産管理、積み込み作業の実績把握、仮設道路の検討など、建設現場をリアルタイムに見える化するICT施工の「StageII」が実現する。

 建機の自動停止や図面に沿った掘削を自動制御する「3Dマシンコントロール」は、ユーザーの要望に応じて追加できる。コマツが業界初とPRする選択可能プランは、車両価格に利用料を含めた利用無制限、使った分だけ月ごとの後払い、3Dマシンコントロールなしで3Dマシンガイダンスのみの3タイプを用意し、利用プランの切り替えはソフトウェアで行う。

 マシンスペックをみると施工性では、新開発の電子制御油圧システム「エレクトリック&ハイドロリックシステム(EHS)」や新型4気筒エンジンを採用。従来機に比べ燃費効率は20%改善、作業量は18%増、シリンダー径のアップで掘削力は7%向上している。

「エレクトリック&ハイドロリックシステム(EHS)」による掘削力 「エレクトリック&ハイドロリックシステム(EHS)」による掘削力
新型4気筒エンジン 新型4気筒エンジン

 また、掘削した土のダンプ積み込み時に、機体が旋回してアシストする「自動旋回機能」を業界初実装。戻り点と排土点、ダンプとの干渉を回避する点を設定することで、ダンプ積み込み作業をセミオート化する。ペイロード機能と連携すると、登録したダンプが接近すると自動認識して積み込み、積載可能重量の表示など、オペレーターの経験が浅くても積み込み作業の効率化と積載の過不足を防げる。

 操作性は、座席のエアサスペンションによる乗り心地の良さやキーレスでダイヤル式のエンジン始動、エアコン吹き出し口の天井配置、軽快に動く電気レバーなどに改良し、長時間でも疲れない快適な作業環境を提供する。操縦席の設計も見直し、足元スペースを従来機比で30%広げ、右下視界で50%、上方視界で45%と視界も広がった。さらに8インチのタッチパネルモニターや各種スイッチを人間工学に基づき、手元に集中配置し、オペレーターの扱いやすさにも配慮している。

足元スペースが30%広がった操縦席 足元スペースが30%広がった操縦席
エアサスペンションの座席(左)、ダイヤル式のキーレススタートシステム(右)

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