山梨県は「富士山登山鉄道構想」で次世代型路面電車「LRT」の導入を断念し、レール(鉄軌道)不要でゴムタイヤ式の新交通システム「富士トラム」の代替案を検討すると明らかにした。
山梨県は2021年2月に発表した「富士山登山鉄道構想」で、鉄軌道を用いる次世代型路面電車「LRT(Light Rail Transit)」の導入を断念し、ゴムタイヤを用いる新案「(仮称)富士トラム」を提案すると2024年11月18日に発表した。
富士トラムは、既存の道路に白線や磁気マーカーの誘導で走行する。レールを敷設しないため、既存道路を活用でき、大規模工事も伴わないため、大幅なコストダウンにつながる。動力は水素燃料電池を想定し、環境負荷の軽減も見込める。
白線や磁気マーカーは法律上軌道と見なされるため、軌道法を適用することで富士スバルラインへの一般車両の進入を規制でき、来訪者数をコントロールできる。
富士トラムを核に富士山とリニア新駅の「山梨県」駅をつなぎ、富士山の玄関口とすることで停車本数の増加も計画。リニア新駅をハブに県内各地で延伸することで、新たな2次交通システムの確立を目指す。
山梨県では、これまでLRTの導入を検討していたが、富士吉田市などが懸念を表明。今回、鉄軌道案の断念に至り、低コストかつ環境に配慮した富士トラムの提案となった。
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