おひさまエコキュートは昼間に発電する電力を使うため、発電量の過多によって出力制御が掛かった場合でも、発電した電気をムダにしないで済む。
エコキュートのマーケティング戦略を解説した松尾氏は、「おひさまエコキュートの新モデルは、脱炭素社会実現の切り札と考えている」と話す。
太陽光発電の電力をメインとして稼働するおひさまエコキュートは、日射量を有効に活用する仕組み「日射量シフト」を搭載。前モデルのおひさまエコキュートでは、設定した時刻に応じて沸き上げ動作を行っていたため、設定した時間内に日射量が少ない場合は電力を購入しなければならなかった。
新しいおひさまエコキュートは、日本気象の日射量予測に応じて沸き上げを行う時間をシフトし、太陽光を効率的に活用する。系統電力の購入量が減り、その分の発電に必要なCO2量を減らせる。おひさまエコキュートにあった電力プランと組み合わせることで、経済的なメリットも享受できる。
日射量シフトを可能にするのが、エコキュート専用のスマホアプリ「スマホでおふろ」との連携だ。新おひさまエコキュートは、アプリが取得した日射量のデータをもとに沸き上げの時間を制御し、太陽光パネルが発電する電力を効率的に自家消費する。ちなみに、アプリからは日射量シフト設定の他に、遠隔でのお湯はり、使用状況の見える化などもできる。
日射量シフト機能によって、従来型のおひさまエコキュートと比較して給湯時に購入する電力量を年間約7%カット。トータルの削減量としては通常のエコキュートと比べ、CO2排出量で約62%や光熱費で約41%の2万4900円相当の節約になる。
おひさまエコキュートは、強いシャワー圧へのニーズに応え、従来モデル比で吐出力を10kPa(キロパスカル)アップした180kPaの「高圧タイプ」と325kPaの「ウルトラ高圧タイプ」をラインアップしている。
ウルトラ高圧タイプは、高い圧力でお湯を吐出できるため、3階にある浴室でもシャワーが使える。2階や1階の浴室であれば、より圧の強いシャワーを楽しめる。
福永氏は「アプリを使った日射量シフトとウルトラ高圧の機能はパナソニック独自の機能」とし、他社の製品との違いを強調した。
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