洗浄機の「ケルヒャー」が建設現場向けに清掃ロボ! 大成建設が導入したそのスペックは?第6回 建設・測量生産性向上展(2/3 ページ)

» 2024年08月26日 16時12分 公開
[石原忍BUILT]

薬品に頼らず環境配慮の除草が実現

 ロボット以外の清掃製品をみると、人が搭乗するタイプの大型床洗浄スイーパー「B 300 R I D」は、これまで別々のステップで行っていた砂やごみなどの回収、散水、ブラシ洗浄、汚水回収を1台でこなす。洗浄幅は1755ミリで、タンク容量は300リットル(L)のディーゼルエンジン式で広い範囲の清掃に適し、高速道路の建設などでアスファルト施工前に除塵とウェット清掃をしておけば舗装剥(は)がれを防げる。

人が乗って運転する大型床洗浄スイーパー「B 300 R I D」 人が乗って運転する大型床洗浄スイーパー「B 300 R I D」
「B 300 R I D」の前面 「B 300 R I D」の前面

 ユニークな清掃製品としては、日本ロード・メンテナンスにも採用された道路脇の除草で威力を発揮するボイラー一体型の「温水除草システム」がひときわ目を引く。エンジン式でボイラーも内包し、水を最高98℃になるまで沸かしてから雑草に散布すると、土の中の生長点/成長点まで浸透するため、1週間後には枯れてしまう。

 日本ロード・メンテナンスでは、ガードレール下のガッター(歩道と車道の境の縁石)の隙間から生えてくる雑草が機械で刈りにくく、除草剤も使えないため、手作業で刈っており、すぐに生えてきてしまうことにも頭を悩ませていた。温水除草システムであれば、約100℃の熱湯を雑草に直接掛けるだけで、植物体のタンパク質構造が変わり雑草が枯れ、除草頻度も年数回で済むようになった。具体的な効果では、手作業の除草では1日あたり3人の作業で300メートル程度しか進まなかったが、導入後は同じ時間で1キロの除草と作業効率が3倍以上に向上したという。

 矢澤氏は、「温水除草システムは環境にも優しく、EU圏では子供が歩くところだと薬品が使えないので温水除草は今やスタンダード。高温水を散布する作業は立ったままできるので、かがむ必要がなくなり、特に夏場の過酷な苦渋作業が解消される」と付け加える。

ボイラー一体型の「温水除草システム」 ボイラー一体型の「温水除草システム」

 他の出品製品で超高圧洗浄機「HD 9/100-4 Cage Classic」は、心臓部に強力なWOMA工業用高圧ポンプを備え、バイパストリガーガンによる1000barの作動圧力と1時間あたり980Lの水量で頑固な汚れでも取り除く。オプションで、接着剤入りのコンクリートなどが付着した足場の清掃にも使える半自動の洗浄治具も用意している。

「HD 9/100-4 Cage Classic」 「HD 9/100-4 Cage Classic」

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