“空飛ぶレーザースキャナー”や一人称視点のハンディ型など、ライカジオシステムズの測量機器群第6回 建設・測量生産性向上展(1/3 ページ)

ライカジオシステムズはCSPI-EXPO 2024で、建設現場のデジタル化を加速させるソリューションを一堂に披露した。特に注目を集めたのが、一人称視点で見ている世界をそのまま写し取る新型ハンディスキャナー「BLK2GO PULSE」をはじめ、ボタン1つで簡単に扱える地上型レーザースキャナー「BLK360 G2」、ドローンとレーザースキャナーを融合した「BLK2FLY」の3機種だ。

» 2024年08月20日 08時17分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 200年の歴史を持つ測量、測定機器メーカーのライカジオシステムズは、「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2024)」(会期:2024年5月22〜24日、幕張メッセ)に出展した。測量から、設計、施工、検査管理まで、建設現場のさまざまなシーンでDXに貢献する製品やソリューションを展示した。

見ている世界をそのまま写し取るハンディスキャナー

ライカジオシステムズの屋内展示ブース ライカジオシステムズの屋内展示ブース 写真は全て筆者撮影

 「BLK2GO PULSE」は、展示会初日の2024年5月22日に日本での販売を開始した最新の移動体計測機だ。室内空間のスキャン用に設計された製品で、手に持って歩きながら計測するだけで、周囲の環境の高精細な点群データを取得できる。製品担当者は、その使用感を「自分の眼で見るように」と表現する。

「BLK2GO PULSE」。重さは850グラム(バッテリーを含む)と軽量で携帯性に優れる 「BLK2GO PULSE」。重さは850グラム(バッテリーを含む)と軽量で携帯性に優れる

 製品の特徴となっている「計測者の一人称視点」の直感的でリアルなキャプチャーを実現するのは、Hexagonグループとソニーグループの半導体部門を担うソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)が共同開発した「PULSEテクノロジー」にある。LiDAR SLAMとVisual SLAM、IMU(慣性計測装置)を組み合わせたHexagonグループの「GrandSLAM」と、ソニーの「デュアルソリッドステートToF LiDARセンサー」の融合から生まれた技術だ。キャプチャー中にカラー化された高精細な点群データは、スマートフォンの「BLK Liveアプリ」に即座に転送され、後処理せずに現場で確認できるため、データ取得から確認までの時間を大幅に短縮できる。

 BLK2GO PULSEの測定範囲は、最大で10メートル(最小0.5メートル)と通常のレーザースキャナーより短い。エリア全体ではなく、必要な箇所だけキャプチャーして、デジタルツインの作成に活用する用途で力を発揮する製品だ。

従来モデルの「BLK2GO」(左)と「BLK2GO PULSE」。外観の形状はほぼ同じ。BLK2GOはより高精度の計測が可能だが、点群の完全なカラー化に後処理が必要 従来モデルの「BLK2GO」(左)と「BLK2GO PULSE」。外観の形状はほぼ同じ。BLK2GOはより高精度の計測が可能だが、点群の完全なカラー化に後処理が必要
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