“空飛ぶレーザースキャナー”や一人称視点のハンディ型など、ライカジオシステムズの測量機器群第6回 建設・測量生産性向上展(2/3 ページ)

» 2024年08月20日 08時17分 公開
[加藤泰朗BUILT]

軽量/コンパクトなボディーに高機能が集約された地上型レーザースキャナー

 地上型レーザースキャナーの「BLK360 G2」は、ライカジオシステムズによると世界最小と最軽量を謳(うた)うモデルだ。高速かつ高精度の性能に加え、ボタン1つで簡単に扱えるシンプルな操作性が評価され、2022年秋にリリースされて以来、高い人気を維持している。

3Dレーザースキャナー「BLK360 G2」 3Dレーザースキャナー「BLK360 G2」

 BLK360 G2には、画素数1300万の5ブラケットカメラが4つ装着されており、1億400万画素の生データを取得し、360×270度の球面画像を生成できる。

 スキャン性能も優れ、スキャン密度は6/12/25/50ミリの4モード(@10メートル)から選択可能で、スキャン範囲は水平360度、鉛直270度をカバーし、測定範囲は0.5〜45メートルに及ぶ。さらに、最大68万点/秒の高速スキャンを実現し、8秒未満でローダイナミックレンジ(LDR)画像、20秒以内に5分割のハイダイナミックレンジ(HDR)画像の完全球面スキャンが可能だ。

 また、BLK360 G2は、ライカジオシステムズの高性能3Dレーザースキャナー「RTC360」と同じ「VIS(Visual Inertial System)」を搭載しているため、スキャンした画像をターゲットなしで、現場で自動的に合成処理できる。

「BLK360 G2」で生成した点群データ 「BLK360 G2」で生成した点群データ

 製品担当者によると、BLK360 G2の高速で高精度な特性は、「測量用3Dレーザースキャナー「Leica ScanStation P」シリーズ同様、公共測量などの専門用途にも十分対応する」と説明する。

土木分野での3D計測作業を効率化するドローンとレーザースキャナーの融合

 「BLK2FLY」は、クアッドコプター型ドローンとレーザースキャナーが融合させた革新的な機器だ。欧州では2021年から発売されており、日本では2024年3月に受注を開始した機種だ。

自律飛行型レーザースキャナー「BLK2FLY」 自律飛行型レーザースキャナー「BLK2FLY」

 BLK2FLYの特徴は、全方向レーダーとLiDARを組み合わせた高度な自律障害物回避機能にある。自律飛行しながら対象に近接し、正確かつ安全に点群データを取得できる。さらに、屋外だけでなく、屋内やGNSSが利用できない場所でも飛行とスキャンが可能なため、発電所や変電所など立ち入りが困難な場所でも利用が想定される。

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