工程管理のデジタル化を起点に、施工管理業務を革新 NTT Comが目指す「施工管理業務DX」の姿建設業界の新3Kを支援するソリューション(2/3 ページ)

» 2024年08月09日 15時00分 公開
[黒岩裕子BUILT]

UIへのこだわりをはじめとするGaNettの特徴

NTT Comビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 スマートワークサイト推進室 新谷真之氏 NTT Comビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 スマートワークサイト推進室 新谷真之氏

 GaNettには、より効率的で柔軟な工程管理を実現するためのさまざまな機能を用意した。スマートワークサイト推進室の新谷真之氏によると、「誰でも一定レベル以上の工程作成と管理ができるサービスを目指し、特にUIにはこだわった。経験の少ない若手でも現場に入ってすぐ工程表を書けるように、使いやすさを重視し、直感的な操作ができるよう考慮して開発した」という。

 工程表の編集内容はクラウド上にリアルタイムに保存される。常に最新の情報を確認でき、関係者間の認識の齟齬(そご)や情報伝達の遅延を防止する。複数人が同時に編集を行える「同時編集機能」も特徴の1つだ。大規模な建設現場では工区や棟によって工程表の作成担当者が異なることがあるが、待ち時間なくいつでも編集作業ができるため、業務の効率化にもつながる。

工程線に施工量の属性情報を付与する画面イメージ 工程線に施工量の属性情報を付与する画面イメージ 提供:NTTコミュニケーションズ
NTT Comビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 スマートワークサイト推進室 上原悠嗣氏 NTT Comビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 スマートワークサイト推進室 上原悠嗣氏

 また、日程を管理するだけではなく、工程表の工程線には、工種や施工数量、施工場所、協力会社、人工などの多様な情報を付与できる。スマートワークサイト推進室の上原悠嗣氏は「実働日数や施工数量、歩掛り、人数などの定量的な数値を入力して、工程計画を立てることも可能だ。工種や協力会社を登録して、進捗管理や遅延リスクの管理にも役立てられる」と説明する。

 属性情報を協力会社への手配に活用する仕組みも構築する。作業調整/手配用アプリ「tateras手配」と連携することで、工程計画から実際の作業指示までをシームレスに行えるようになる。中島氏は「契約形態や予定人数、数量、車両の情報などの作業情報をGaNettから取得だ。tateras手配上で必要な情報を入力し、リクエストボタンを押せば、プッシュ通知で協力会社に情報が届き、手配作業を半自動化できる」と語った。この機能は2024年第3四半期に提供予定だ。

tateras手配との連携 tateras手配との連携 提供:NTTコミュニケーションズ

 今後、工事の全体から詳細まで俯瞰して確認できる工程表の切り替え表示機能も搭載予定だ。総合、月間、週間の工程表を関連付けて作成でき、必要に応じて表示を切り替えられる。利用シーンに応じて、異なる時間スケールでの工程管理が可能になる。工程のつながりを確認したい場合はネットワーク型やバー型、表形式で確認したい時はガントチャート型やテーブル型に切り替え、さまざまな関係者に対して最適な形式で情報を提示する。

複数のビューを切り替え表示可能 複数のビューを切り替え表示可能 提供:NTTコミュニケーションズ

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