安藤ハザマは、プレキャスト製品などの既製品の組み立てシミュレーターを開発した。今後、シミュレーターを、実物を計測するレーザースキャナーなどと組み合わせて、現場での実証と適用を進める。形状と配置の誤差をあらかじめ視覚化してデジタルツインを実現し、品質、生産性向上につなげてる。
安藤ハザマは2024年6月12日、プレキャスト製品などの既製品の組み立てシミュレーターを開発したと発表した。既製品の施工誤差/製作誤差を反映した既製品の出来形と、設置時の誤差を考慮し、組み立て後の構造物の出来形をシミュレーションできるようになる。
安藤ハザマは今後、シミュレーターを、実物を計測するレーザースキャナーなどと組み合わせて、現場での実証と適用を進める。石垣の積み上げや消波ブロックの設置検討から適用していく計画だ。従来、設計者では認識が難しく、施工者も現地合わせで対応していた形状と配置の誤差をあらかじめ視覚化してデジタルツインを実現することで、品質、生産性向上につなげていく。
安藤ハザマは今後、国土交通省がi-Construction 2.0で掲げる自動施工やプレキャスト化が進み、BIM/CIMモデルに既製品の製作誤差や組立時の施工誤差を認識でき、調整部材などを使用した事前の施工シミュレーションが可能な機能が求められると見込んでいる。
そこで今回、複数の3Dモデルを組み立てるシミュレーターをAutoCADプラグイン(拡張機能)で開発した。組立時に接する現況の点と、組み立てる部材の点を複数指定し、誤差が最小化するよう配分して配置する。3Dモデルを配置することで、誤差を含んだ組み立て後の形状を視覚的に確認できる他、3Dモデルや点群データにも適用可能だ。
また、座標変換の1つで、縮尺が同じであれば変換前と変換後の面積が変わらない「ヘルマート変換」により誤差配分を行い、誤差配分の根拠を明確化する。さらに、変換時に各点の重みづけができるため、計測ミスなどがあった場合に、外れ値を発見し除去することも可能だ。
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