マッピングミッションは、事前に作成した経路に従ってドローンが自動的に飛行、撮影を行い、オルソ画像や点群処理に適した画像やデータを取得する新機能だ。ドローンに高精度位置測位機能を付与するRTK-GNSS受信機「RTK-1」とジンバル「GBL-PX1」を活用することで、測量のワークフローがAirpeakシステムで完結する。
ソニーの説明員は、「マッピングミッションを使うユーザーの目的は、測量や点検を行うことであってドローンを飛ばすことではない。ドローンは道具であり、いかに簡単に扱えるかを重視して設計した」と強調する。測量範囲や飛行ルートは、操作用モバイル端末をタッチするだけ設定できるようにした。
マッピングミッションの作成では、まず、画面上の地図をタップして測量の範囲を指定する。同一画面上でドローン搭載カメラのモデルとレンズの組み合わせを選択すると、要求されるGSD(地上画素寸法)を満たす画像が撮影できる高度を自動で計算する。
「例えば画面上で、展示機に搭載しているα7IV(アルファセブンフォー)と35ミリF2.8のレンズを選択し、GSDを0.5センチと指定すると、高度46.6メートルで飛行する必要があると自動算出される。また、測量範囲に高さ50メートルの鉄塔などの障害物があると仮定して高度を55メートルに修正すると、GSDに自動で反映されて0.66センチになると分かる。条件の数値を入れるだけで簡単に検証できるため、ユーザーの要求に応じた飛行の調整が容易だ」(ソニーの説明員)。
サイドラップ率(隣り合う飛行ルートとの重複率)やオーバーラップ率(連続した写真の重複率)についても、求める水準を入力すれば飛行ルートやシャッターを切る間隔を自動で調整できる。周囲の明るさに応じた飛行速度やコースの角度、スタート位置の調整などにも対応する。
Airpeak S1は現在、主に、森林測量や土木工事の土量測量などで利用されている。ソニーの説明員によると「導入の決め手の1つがカメラ解像度の高さだ。詳細な情報を取得できるところや、一度に広範囲を撮影できる点などが評価されている」と述べた。また、最大風圧抵抗20m/秒(ペイロード無し)の高い耐風性も特徴で、風力発電用の風車の点検でも引き合いが多いという。
2023年12月には、国土交通省のドローン型式認証制度で「第二種型式認証」を取得した。型式認証は「安全性基準及び均一性基準に適合している」と認められた機体に交付されるもので、型式認証を取得した機体は、機体認証の申請をする際に、検査の手順を省略可能だ
さらに、Airpeak S1で第二種機体認証書を取得し、かつ二等以上の操縦者技能証明を保有している場合、一定の条件下で人口集中地区上空や人や建物などから30メートル未満の特定区域において、通常求められる許可/承認申請不要になるなど、より効率的な運用が可能になった。
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