FLIGHTSは、測量向けドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」を国産ドローンへ対応すべく、ソニーの国産機体「Airpeak S1」との協業を開始した。
ドローンによる現場のデジタル化事業を展開するFLIGHTSは2023年6月22日、測量向けドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」について、ソニーグループが提供するプロフェッショナル向けドローン機体「Airpeak S1」と協業し、「FLIGHTS SCAN for Airpeak」として販売を開始すると発表した。両社の協業により、国産ドローンによるドローン測量の普及拡大を目指す。
今回の協業の目的は、国産ドローンの中でも、技術力の高いソニーと提携することで、より多くの方に高性能のドローンLiDARを活用いただくことにある。また、Airpeakが強みとしている「撮影」領域に加え、測量をはじめ、インフラ点検や防災など多様な現場でLiDARの活用の場も広がることを見込む。
FLIGHTSが提供するFLIGHTS SCANは、対象物にレーザーを照射し、その散乱や反射光をセンサーで受信することで、対象物までの距離を計測し対象物の性質を特定するLiDAR技術を搭載したシステム。ドローンに取り付けることで、広範囲かつ人手が入りにくいような場所でも手軽に測量が行えるようになる。
また、国土地理院 公共測量「作業規程の準則」記載の各種基準を満たす高性能IMUと、レーザー走査角標準値である±45度をクリアした360度全方位型のレーザーとなっている。そのため、急傾斜地でも姿勢や速度、相対位置を正確に算出し、高精度な測量を実現する。
慣性システムは、20年以上に及ぶ実績を持つ米Inertial Labsと共同開発しているため、高価格帯に並ぶ性能のLiDARを低価格で提供している。
一方のソニーグループのドローン機体Airpeak S1は、イメージング技術やセンシング技術を活用し、最高峰の価値創出に貢献することを目指して開発されたプロフェッショナル向けドローン。第1弾は映像制作向けの機体で、フルサイズミラーレス一眼カメラαを搭載できる機体としては世界最小クラスとなる。
ソニーグループ 事業開発プラットフォーム 技術開発部門長 荒井英明氏は、Airpeakは産業用途への拡大を目指し、2023年5月から産業向けのアクセサリー(RTKキットRTK-1、ジンバルGBL-PX1、バッテリーパックLBP-HM1)の提供を開始した。今回、測量に深い知見をもつFLIGHTSとの連携で、多くのユーザーにLiDAR測量を活用してもらえると期待している」と話す。
FLIGHTS 執行役員 加塩博士氏は、「Airpeak S1は飛行性能や操作性において、素晴らしい性能を持つドローンだが、映像撮影などの用途に特化しており、当社の主要事業の1つ、測量/計測用途におけるドローンという点ではやはり異なる領域の商品という認識があった。ですが、今回の連携を通して、詳細の飛行検証を行っていく中で、Airpeakのより幅広い産業用機体としての可能性を実感している。第二種型式認証が受理されたことや今回の連携を機に、土木/測量業界の方々にも使いやすいドローンとしてぜひ手に取っていただければ」とコメント。
なお、両社の新機種となるFLIGHTS SCAN for Airpeakは、2023年6月26〜28日に幕張メッセで開催する「Japan Drone 2023」のソニーブースで展示する(ブース番号:AK-20)。
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