アタッチメントは、年間3万台の販売台数と試算されている新型機だけでなく、国内で約30万台保有されているとも言われる古い建機でも後付けできる。また、顧客の要望に応じて、同じアタッチメントで遠隔操縦、さらにIoTセンサーを取り付けて自動運転へアップグレードも可能になる。
ARAV 代表取締役社長 白久レイエス樹(しろくれいえすたつる)氏は、「Model Vはモーターではなく、電子的に接続する形を採用した。今まで通りの有人と無人を併用したいニーズはまだ多く市場にあるので、人が乗って運転席の中で邪魔にならないように製品設計した。有人と無人の切り替えは、電源のON/OFFのみだけでOK」と説明。
遠隔操縦は既に市販建機の84%に対応済みで、「受注してから個別にカスタマイズするフルオーダーメイドの製造サプライチェーンを構築しているため、技術的にはほぼ全てのメーカーの建機や特殊車両に搭載できる」と強調する。
遠隔操縦のための通信環境でStarlinkを使う場合は、現場に低軌道の人工衛星と通信するパネル型のStarlink用アンテナと、メッシュWi-Fiの「PicoCELA(ピコセラ)」専用機器を設置する。PicoCELAは、通信によるデータの減衰量を軽減するマルチホップ伝送で、建機が動き回るエリア内の各アクセスポイントに専用機器と同一の中継機を配置することで、無線化したWi-Fiネットワークが整い、現場全体の通信が確保される。
遠隔操縦の仕組みは、遠く離れた場所のコックピットから、Model Vシステムのコントローラーで操縦信号を送って、建機に取り付けたソリトンシステムズ製の映像と制御信号の双方向伝送システム「Zao-SDK」で受け取り、建機操縦席に装着した遠隔操縦デバイスのModel Vを動かす。建機側のカメラ映像は、Starlink通信でクラウドにアップロードされ、操縦席のモニターで表示するクラウドの専用ビュワー「Zao Cloud View」にリアルタイムの主観映像が映し出される。
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